『鬼滅の刃』 第二十三話「柱合会議」
自分の血を以て禰豆子の鬼の本性を引き出そうとする不死川。しかし禰豆子は炭治郎の言葉に己を保ち、危険性のなさを証明してみせるのだった。お館様の言葉に送られ、治療のために搬送された蝶屋敷で、善逸と伊之助と再会した炭治郎。そしてお館様と柱たちは今後の方策を語り合うのだった。
胸元をはだけたすけべな姿(公式認定)でガンギマリの目つきの傷男が、血の滴る自分の腕を頑是ない女の子に突きつけて誘うという、深夜にしか放送できないような絵面で始まった今回。普通であれば我慢できそうな禰豆子が涎をダラダラ流して危険な兆候ですが――ここで蛇柱に押さえつけられていた炭治郎が、自分の身のことは省みず縄を引きちぎって禰豆子に駆け寄り、賢明に声をかけるのでした(そしてすかさず蛇柱の腕を押さえる義勇さんとふりほどけない蛇柱)。
その声に、人間は守るべき味方だという鱗滝の言葉と、かつて両親や弟妹たちそして炭治郎と過ごした穏やかな日々を美しく思い出す禰豆子。それが彼女の理性を――人間としての部分を揺り動かし、ついに禰豆子は不死川の血の誘惑にプイするのでした。これがどれだけ驚くべきことか、不死川と最近の原作を読んでいる読者は知っていますが――何はともあれ、お館様によってその場は収まったのでした。
しかし鬼殺隊の、周囲の目は鬼に対してはあくまでも厳しく、禰豆子のことを認めさせるにはまず十二鬼月を倒してみせなさいと諭すお館様に、無惨を倒して悲しみを終わらせます! と格好良く答える炭治郎――と思いきや、それは無理だからまずは十二鬼月から、とやんわりツッコむお館様に、沸点の低い甘露寺さんは噴出、そして派手柱や、ガチガチっぽかった岩柱まで肩を震わせたりと、あれ、もしかしてこの人たちそんなにおかしな人たちではないのでは、と思ったり思わなかったり(そんな中、明らかにヘンなタイミングで炭治郎の言葉に感心する煉獄さん、たぶんミスなのかなと思いつつ、煉獄さんだからなあ――という気も)
何はともあれ、隠に担がれてしのぶの蝶屋敷に搬送されることになった炭治郎。不死川に頭突きさせろと炭治郎がダダをこねて無一郎に飛礫を食らわされたり、お館様が珠世とのことは知ってるとさりげなく告げたりと色々ありましたが、ひとまず場面転換してそこは蝶屋敷――その名の通り蝶が何匹も舞う静かな屋敷であります。
そこで前々回踵落としを食らわされたカナヲと再会した(しかしそれを完璧に忘れてた)炭治郎ですが、カナヲはただニコニコと微笑むばかり。しのぶとは別の意味でいたたまれないカナヲですが、そこに現れた看護婦姿の女の子に導かれて、炭治郎は元気に泣き言を抜かす善逸と再会するのでした。
鼻水とか涙とか色々流しながら再会を喜ぶ善逸ですが、そういえば炭治郎は那田蜘蛛山のふもとで置いてきた後のことを知らなかったわけで、下手すると炭治郎も知らないまま物語から退場していたんだな――というのはさておき、毒で手足が縮んだものの、回復可能ということで、まずはめでたしです。一方善逸の隣には、一瞬いるのに気づかないほど静かに静かに伊之助が寝ていたのですが――こちらは喉が潰れたのはともかく、メンタルをぽっきり折られて重傷であります。
というわけでそれぞれに心身に傷を負ったとはいえ、蝶屋敷にいればひとまず安心。炭治郎も改めて、禰豆子のためにも鬼を、無惨を倒すことを強く誓うのでした。
そして嵐が去った産屋敷邸では、お館様と九人の柱がようやく柱合会議を開くことに。那田蜘蛛山での平隊士たちのていたらくを嘆いたり、これからも頑張ってね頑張りますと夜は更けていくのでした。
あれ、柱合会議は前回でほとんど終わったようなものでは――と思いきや、ちょっとだけオリジナル展開が待っていた今回。ラストの柱合会議の場面は、正直なところ顔見せ以上の内容はなかったと思いますが、原作で見舞いに来た村田さんが炭治郎に語った柱合会議の模様を踏まえてのアレンジはおもしろい試みだと思います(ということは村田さん出番削られた?)。
ちなみに次回予告は派手柱と煉獄さん。原作では煉獄さんがアレした時に交流を窺わせるものがあっただけなので、実に嬉しい組み合わせです。二人で炭治郎を評価していて(前回は殺そうって言ってましたが)、この二人の性格的にさぞウマがあったのだろうなあ、と思います。
しかし煉獄さんがコソコソ噂話するなんて、ちょっとショック――声がでかいんで全然コソコソしてませんでしたが。
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