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2020.02.08

『無限の住人-IMMORTAL-』 十八幕「鬼哭 きこく」

 江戸城での失態から新番頭を解任され、三十日後に切腹することとなった吐鉤群。後任の英により江戸追放止まりの処分となった逸刀流だが、吐は新たに六鬼団を率いて逸刀流を追う。しかし道場跡に仕掛けられた罠により六鬼団は痛撃を受け、英は妻子を人質に吐に武装解除を迫るが……

 いよいよ今回から最終章に突入――ですが、主人公コンビの出番はほとんどなく(というか何だか無駄にラブいオーラで一つ屋根の下で暮らしていたりして)、吐の庶子・燎の語りで、吐鉤群の姿を中心に描かれることとなります。

 不死力解明実験の大失敗の上に、女子二人に江戸城地下に突入され、爆発やら鉄砲水やら起こされた失態を問われ、新番頭の座を追われた吐鉤群。冷静に考えるとその場で打ち首にされても文句ないくらいのやらかしぶりですが、しかし切腹で――しかも三十日の猶予を与えられて――済まされたのは、これまでの功績(=色々と幕政の裏を知っている)からでしょうか。
 しかしそこで新たに団鬼――ではなくて六鬼団なる死罪人を集めた私兵団(しかも下っ端は鬼面のコスプレ)を作った鉤群。もうここまでくると、このオッサン本当に懲りてない――というより単にこういうのが好きな人なのだな、というしかありません。自分自身が六鬼団のリーダーの座に就いてますし……

 ちなみにこの六鬼団、名前の通りというべきか、トップは六人の遣い手で構成されているようですが――その一人・佩矢坊は、アバンタイトルの段階で、あれこいつも六人の一人だっけ? と言うくらいの勢いで逸刀流残党の一人・馬絽祐実(万次のそっくりさん)に斃される羽目に。その後釜に燎が加わったのですが、逸刀流の新入りを一人斬ったものの、相変わらず女性には甘い凶に手加減されてダウンするくらいの腕前なのがだいぶ不安ではあります。

 しかし吐が無駄にハッスルしている一方で、彼の後任の新番頭・英は、密かに天津と接触して逸刀流を江戸追放で事を収めようと謀ったり、吐の妻子を人質に押さえるなど暗躍。それなりに有能なのだとは思いますが、天津が連れている槇絵の実力を見抜けない時点で、大体どの程度の人物か想像がつきます。というより、声が二又一成の時点で推して測るべしでしょう。
 ラストでは、逸刀流の退去期限七日までに逸刀流を討てなかった吐に対し、この妻子を前面に出して身柄を拘束しようとするのですが――いかにも時代ものらしいこの先の展開を何と評すべきか。個人的には吐があまりにこれまでやりたい放題やってきたツケを家族が払わされているようで、あまり乗れなかったところではあります。


 というわけで最終章のプロローグといった趣であった今回。六鬼団に加えて幕府関係者、逸刀流新規加盟組、さらに宗理先生の新しい弟子二人と、新キャラだけでも一気に増えたところに、これまで登場したキャラクターたちも集結すると思われますが――そんな中で万次と凜は埋没しないで済むのか。この回を見ただけではいささか不安ではありますが……


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 無限の住人

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