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2020.09.12

田村ゆうき『戦国グリッドマン』第1巻 戦乱の世にハイパーエージェント登場!?

 戦乱の時代、妹の珠姫を養うために戦場荒らしを生業とする少年・鴉帽子。ある日、彼らが暮らす倉馬の国に、疫病「死痒」に冒され奇怪な怪物に変化した侍が襲いかかる。珠姫を守るため立ち向かったものの、瀕死の重傷を負い、泉に落ちた鴉帽子の前に現れたのは、グリッドマンだった……!

 というわけで、タイトルの時点で二度見してしまうようなインパクトの本作は、2018年のアニメ『SSSS.GRIDMAN』――1993年に放映された特撮ヒーローもの『電光超人グリッドマン』が奇跡の復活を遂げ、スマッシュヒットを飾った――のスピンオフ漫画であります。

 タイトルのとおり、戦国の時代(と作中で言われている時代)を舞台に、グリッドマンと合体した戦場荒しの少年・鴉帽子を主人公とする本作。
 この世界で流行している謎の疫病・死痒――感染すれば急速に痒みを伴う痣が全身に広がり、最終的には正気を失った末に化け物に変化するという病――の感染者によって命を奪われた鴉帽子が、妹の珠姫を守るために死の間際に現れたグリッドマンと合体、夢のヒーローとなって――というのが、第一話の展開であります。

 ここでももちろんハイパーエージェントを名乗っているグリッドマンですが、登場時はSSSS版のグリッドマンだったものが、鴉帽子の知識から生まれたものか、鎧武者めいた姿に変化することになります。(イラストを見るに全身赤系統の鎧なのがなかなか新鮮で格好良い!)
 本作においては死痒を消滅させ、化け物と化した人間を元に戻す能力を見せたグリッドマン。彼は、死痒を発生させる元凶を追ってこの世界に現れたようであります。

 この第1巻は鴉帽子とグリッドマンの初陣、そして世界観説明で終始することになりますが、後半で謎の鬼面の怪人(これが元凶?)によって今度は珠姫が死痒に感染、彼女を救うために、この世界に散ったグリッドマンの仲間たちを集める――というのが2巻以降の展開になりそうであります。
(この巻のラストには早速、猫背で刀を四本持った人物の姿が……)


 さて、この第1巻を見た限りでは、想像以上に戦国に馴染んでいる感のあるグリッドマンですが(変身アイテムの名が「ライジングアクセプター」とバリバリ横文字なのも、らしいといえばらしい)、やはり気になるのは本作の世界像でしょう。
 実は舞台となる倉馬の国は、絡繰り技術が異常なほどに進歩した土地。珠姫の義手をはじめ、土地の人々の多くは精巧な義手・義足を使用し、そして鴉帽子と珠姫にとっては姉貴分であるこの国の族長(?)・倉馬に至っては、初登場時に四足歩行のロボットに乗って現れるのですから。

 これはそういう技術がある世界の話――と言ってしまえばそれまでですが、しかし『SSSS.GRIDMAN』のスピンオフとくれば、「世界」というものの存在をどうしても深読みせざるを得ません。
 あるいは本作の世界も――とすれば、死痒の存在とグリッドマンがそれを消滅できること、そしてテクノロジーレベルのことも説明できるのですが、さて……

 おそらくは、いや間違いなくその辺りのことは、この先描かれることになるでしょう。この点を大いに楽しみにしているところであります。


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