『半妖の夜叉姫』 第8話「夢ひらきの罠」
貸し与えられた虹色真珠の力で、夜叉姫たちを夢開きの術にかける夜爪。夢を通じて暴かれたそれぞれの過去を覗くとわ・もろは・竹千代だが、夢を見ないせつなには術が通じず、夜爪を倒す。しかし続いて現れた窮奇にとわともろはの妖力が封じられ、単身戦うせつなは窮地に立たされることに……
物語は前回から続き――と言いたいところですが、冒頭に登場するのは屍屋の十兵衛と前回顔を見せた理玖。実は十兵衛に四凶退治を依頼(というか命令)していたのはこの理玖、しかも彼の妖術めいた技は虹色真珠によるものだったようですが――麒麟の配下の四凶を倒しているのだから彼は味方かと思えば、夜叉姫たちは自分の手で倒すなどと言っている辺り、その立ち位置はまだまだ不明であります。
さて、とわたちに追われる夜爪は、まんまと窮奇の下に三人+竹千代を案内してしまうのですが――窮奇の虹色真珠を貸し与えられて第五の目に変えた夜爪はパワーアップ、「夢開きの術」なる術を披露することになります。
相手の夢を覗き見てその弱味を探ろうという術に嵌まってしまったとわたちですが、しかし夢を見ない――というより眠らないせつなにはそもそも通じません。ここで彼女が術を妨害すべく旋風陣で風を起こして夢を攪拌(ってそんなのアリか)したことで、もろはが竹千代の夢を、竹千代がもろはの夢を、そしてとわは(何故か)夢の胡蝶の夢を見ることに……
というわけでこれこそが今回のメインとも言うべきそれぞれの過去、それぞれの秘密。今回描かれたそれらは――
・竹千代の正体はたぬきの世界の若君。家老だったという阿波の八衛門狸の縁か、弥勒から十兵衛に預けられた模様。
・もろはに犬夜叉の母の紅を与えたのはやはりかごめ。そのかごめは、八衛門狸に赤ん坊のもろはを託して逃がしたのですが――そこに迫ってくるシルエットはどうみても殺生丸と麒麟丸!?
・夢の胡蝶が向かう先は、時代樹とともに眠るりん。時代樹の精が語るところによれば、胡蝶は彼女にせつなの夢を与えているようですが……
というわけで、竹千代はさておき(弥勒が顔見せ――いや笠見せをしましたが)、もろはとせつなに関しては、かなり意味深なシーンが描かれた今回。
とくにかごめともろはの別れのシーンはかなりのインパクトで、前作の熱心なファンにはかなりのショックだったのではないでしょうか。元々もろはが両親のことを直接知らないというのは設定の時点で示されており、過去に何らかの別れがあったのは明らかだったわけですが――それの原因が麒麟丸と殺生丸だったというのはやはり衝撃的です。麒麟丸はともかく、既に犬夜叉に蟠りがないはずの殺生丸が何故――いや、当の犬夜叉がどこに行ったのか。そしてこの場面の後のかごめは……
当然ながらかなりフェイクというか引っかけが入っているものとは思われますが、その後の眠り続けるりんの姿も含めて考えると不穏な予感しかしない――そして(物語構成上仕方がないといえば仕方ないのですが)親世代がほとんど消息不明というのは、やはり胸中穏やかならざるものがあります。
さて、その後は窮奇との戦いがあるのですが、その前の夢の内容が衝撃的過ぎて、とわが相手の攻撃(の中の妖力)を吸収して自分の力に変えるという能力を見せた他はあまり印象に残らず――むしろ戦いの後にちゃっかり現れて挨拶していったついでに窮奇の虹色真珠をちゃっかり奪っていった理玖の方が印象に残ります(しかしそれにとわたちが気付かないのは如何なものか)。
化け猫回のように、人間の体に潜って妖力を隠す妖怪もいるわけですが、しかし理玖の力に、とわはともかく、せつなももろはも気付かないのは何故か――いずれにせよ、今後は理玖が台風の目になることは間違いないでしょう。
それにしても虹色真珠、やはり名前からすると七個あるのでしょうか。というのは今更かもしれませんが……
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