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2021.01.14

『半妖の夜叉姫』 第14話「森を焼いた黒幕」

 山の邪神・焔に連れ去られ、共に暮らしていた玉乃。しかし焔の異常な嫉妬深さに苦しみ逃げ出した彼女を助けた理玖から、夜叉姫たちは焔退治を依頼される。早速、雪山の中の焔の屋敷に向かった三人だが、とわとせつなを見た焔は驚きの表情を浮かべる。実は二人が離れ離れになった火事の犯人こそは……

 新年1回めで第2クール1回め、そして新OPED1回めの今回。親世代キャラが登場しまくりのOP映像にテンションが上がりますが、物語の方は、何となく核心に踏み込んでいくことになります。

 育ての親の元から攫われ、その名の通り火焔を操る妖怪・焔の屋敷で暮らしていた美少女・玉乃。しかし彼女と目を合わせた植木職人を瞬殺するなど細川忠興のような(直喩)ヤンデレ気質の焔に愛想を尽かし、閉じ込められていた座敷牢から逃げ出してきた彼女は、雪山で行き倒れかけていたところを、何故かその辺にいた理玖に拾われるのでした。
 理玖が絡んだとなれば、当然のように話は屍屋経由でもろは、そしてとわとせつなに入り、賞金に目の眩んだもろは先導で、三人は焔の屋敷に向かうことになります。
(その前に、今頃になってスマホを見て挙動不審になるせつなや、焔の執着を自分のスマホ依存症になぞらえるなど、今ひとつ伝わらないネタが……)

 ということは、夜叉姫たちの境遇に重ね合わせて、妖怪と人間の報われない恋の話が描かれるのかな、と思いきや――実際、理玖はそういう視線で見ていたようですが――とわとせつなを見た焔がいきなり挙動不審となり、いきなり旧悪を自分から語りだしたことで、物語は思わぬ(ただしタイトル通りの)方向に向かうことになります。
 かつてとわとせつなが引き離されるきっかけとなった森の火事――実はそれこそは、OPにも顔を出している謎の女妖怪・是露に命じられ、二人を抹殺するために焔が火を付けたもの。それはともかく、是露と焔の傍らには殺生丸がおり、この暴挙も彼が認めたものとして描かれているのは、一体何故なのか……

 それはともかく、とわにとってはこの真実はまさに彼女の怒りの炎に油を注いだようなもの。これまで見たことのないような怒りの表情で焔に挑むとわ、そしてせつなともろはなのですが――しかしそんなクライマックスの場に、ここでやっぱり自分で言いたいことは言わないと、と戻ってきた玉乃に真正面から別れの言葉をぶつけられた焔は、驚愕と悲嘆に暮れた末に、自らの炎で自らを焼き尽くしてしまうのでした。


 ……と、大事な真実がいきなり判明したわりには、ビジュアル的にもキャラクター的にも何だか微妙な焔(と玉乃)のおかげで、すっきりしない展開となった今回。結局とわのスマホ依存ネタもあまりうまく機能しておらず、中途半端な印象は否めません。大きな物語的には(そして前作ファンにとっては)焔の回想シーンでの殺生丸の行動が、今回のメインと言うべきかもしれません。
 以前、麒麟丸とともにかごめを追い詰めていた場面もそうでしたが、どうにも行動が怪しい殺生丸。この彼の真意が、物語の鍵を握ることは間違いないでしょう。そしてもう一人、第三勢力的な位置に立ち、半妖に隠れた敵意を向ける理玖の存在もまた……

 と思っていたら、次回予告では衝撃の展開のオンパレード。ついに親世代に何があったのか、何が起きたのかが描かれるようですが――第2クールに入っていきなりクライマックスの連続には驚かされるばかり。どうかこの怒涛の展開にとわ・せつな・もろはの存在感が飲み込まれることがないことを祈ります。


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