『半妖の夜叉姫』 第17話「二凶の罠」
夜叉姫たちを葬る策を練る渾沌に対し、手助けを申し出る理玖。その理玖から、饕餮が再び現れたと聞き退治に向かうとわたちは、饕餮を追ううちに涸れ谷に誘き寄せられる。分断され、奇怪な空間から抜け出せなくなってしまったもろは、そしてとわとせつな。これこそは渾沌の八陣遁甲の陣だった……
そろそろクライマックス突入ということか、これまで生き残ってきた四凶の残り二人との対決編となった今回――前回は陰湿な策を講じた末にほとんど勝ち逃げした渾沌ですが、今回は大陸渡来の術師らしく、新たに八陣遁甲を用意しているようであります。しかしそれはそれでなかなか設定が難しい、と悩んでいるところに現れたのは理玖。ここは饕餮を使ってはどうかと提案した上に、饕餮探しや夜叉姫たちの誘き出しまで全てお膳立てするという手回しの良さであります。
そんな理玖の策にまんまとはまったのはもちろん(?)もろは――理玖からの饕餮出現の報にまんまとつられた彼女は、夢の胡蝶探しが徒労に終わったけれども外でなんか良い感じでバイオリンを弾いているせつなと、それを聴いているとわを引っ張り出して、饕餮が襲っている寺院に向かうことになります。
しかしそこでまんまと饕餮に逃げられた末、後を追いかけるうちに、涸れ谷に迷い込むことになった三人。言うまでもなくこれこそが渾沌の罠――真っ先に饕餮を追って飛び込んだもろはは、周囲を囲む断崖絶壁から抜け出せなくなり、一方とわとせつなは、エリアの左右がループした平原に閉じ込められ――と、謎の空間に閉じ込められてしまったではありませんか。
これは幻術か、と定番ムーブで自分の足を突き刺すも効果はなかったくせに、逆にとわに真剣味が足りないと説教するせつな。しかしこの時の傷が元で、一度はせつなを見失ったとわが、血の匂いで戻って来れたのですから何が幸いするかわかりません。そして妖気を嗅ぎ分ける力を発揮したせつなは渾沌の妖気を察知、その位置目がけて放った二人の一撃は八陣を破壊、ついに渾沌と対峙することに――というところで次回に続くことになります。
というわけで、冷静に考えればずいぶん長いこと戦ってきた気もする四凶ともこれが決戦――といっても結局今回では決着がつかないのですが、そのためか、はたまた渾沌が自分で手を下さず八陣に引きずり込むという間接的な手段を取ったせいか、今回はあまり盛り上がらなかった印象があります。
むしろ目が行ってしまうのは、相変わらず真意が読めない理玖の存在であります。麒麟丸からは腹心と呼ばれ、四凶にも協力的な態度を取りながらも、その実、夜叉姫たちをけしかけて虹色真珠を奪おうとしているのはいかなるわけか。そもそもその麒麟丸自身、相変わらず心ここにあらずという感じで、果たしてあれが本物なのか、という印象は強くあります。
などと思っていたら、次回は麒麟丸が――いやそれどころか殺生丸が夜叉姫たちの前に現れる様子。さて、大物たちとの対面が何を生むのか、話が大きく動くことに期待したいところです。
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