『半妖の夜叉姫』 第20話「半妖の隠れ里」
せつなとともにある谷に向かったとわ。そこは、火事で焼け出されたせつなが暮らしていた隠れ里だった。半妖の娘・紫織が張った強力な結界の中で半妖の子どもたちが匿われていた里。しかしある日、紫織の力が蝕で失われた際に妖怪・蛾ヶ御前が里を襲撃、せつなも里を守って戦うのだが……
今回のエピソードはせつなの過去編。火事で森を焼け出された後にせつながどこで何をして暮らしていたのか、そして弥勒との因縁とは――数々の謎が明らかになります。
ある日、雲母に乗ってどこかに向かうせつなにくっついていったとわ。その先はとある谷――彼女が時折訪れているというそこは、実は彼女が子供時代を過ごした地だったのであります。
あの森を襲った火事の後、邪見(のバックには当然殺生丸がいるのでしょう)に連れられてこの谷にやって来たせつな。そこは、百鬼蝙蝠の父と人間の母の間に生まれ、かつて犬夜叉たちに力を貸したこともある半妖の娘・紫織が暮らす地だったのであります。持ち前の強力な結界を張る力で、引き取った半妖の子供たちと暮らしていた紫織にせつなも預けられ、そこで同じような境遇の子供たちと暮らしていたのです。
そんな中でも何だかんだで気を配っている父親(たぶん)の配慮で、短刀を与えられたり、手紙ですごく大雑把に修行方法を指示されたりして暮らしてきたせつな。まさか今でも得意技の群れ発ちの燕が、この頃に自己流(たぶん)で会得したものとは思いませんでしたが、栴檀は双葉より芳しとはこのことでしょうか。その力で里を妖怪たちから守っていたせつなは一度は手紙の指示で楓の村で暮らしたりしたものの、結局馴染めずその後も隠れ里で暮らしていたのでした。
(しかしせつなはいつの間にかあのモコモコを巻いているのですが、これもプレゼントで届いたのだろうな……)
しかし一見平穏に見える隠れ里にも、一つの弱点がありました。それは蝕の日にしおりがで妖としての力を失い、人間同様になってしまうという、半妖特有の体質によるものでした。そしてある蝕の日、強力な妖怪・蛾ヶ御前が、紫織の結界が失われた里に迫ってきたのであります。
せつなたちの力も及ばず、そして御前を追ってきた弥勒(「不良法師」というキャプションはいかがなものか……)もあっさり一蹴してせつなに迫る御前。しかしこの絶体絶命の危機にせつなの中の大妖怪の血が目覚め、一瞬で蛾ヶ御前はサイコロステーキ御前と化したのですが――しかしそれでも止まらないせつなの血の暴走。あわや紫織までも手にかけそうになった時、弥勒が微妙に犯罪くさいビジュアルで後ろから流れるように痺れ薬を嗅がせ、事なきを得るのでした。
そして御前が持っていた薙刀・兼光の巴を媒介に、弥勒はせつなに封印を施し――楓の村に戻った彼女は、妖怪退治屋に加わって今に至っていたというわけでした。そして今でも時々隠れ里を訪れては、里を襲う妖怪たちを伊達にして帰していた彼女の姿が描かれて今回のエピソードは終わることになります。
シチュエーション的に、絶対村が焼かれてせつなの性格があんなことになったのだろう、可哀想な紫織さん――と思いきや、全くそんなことはなく、ホッと一安心の今回。
それではあの性格はやはり不器用すぎる父親の遺伝なのか――いや、あれだけ長いこと寝てなかったら無愛想にもなるか――というのはさておき、『犬夜叉』の登場キャラクターをうまく活かしつつ、せつなの技や得物の由来、そして何よりもとわと別れてからの暮らしが明らかになったのはなかなか良かったと思います。
これで三人とも過去編が描かれたわけで、後は未来に――クライマックスに向かうということでしょうか。次回も大きな秘密が明らかになるようで、期待したいと思います。
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