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2021.04.11

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀3』 第2話「魔境漂流」

 刑亥・異飄渺との乱戦の最中、輝き出した逢魔漏の光の中に消える殤不患一行。その先は、赤い空が広がる荒涼とした世界だった。現地の住民の襲撃を受け、苦戦する一行は、再び輝き出した逢魔漏の力で脱出するが、その先は思わぬ因縁の地だった。一方、婁震戒も、飛ばされた別の世界である出会いを……

 前回から引き続き、神蝗盟・刑亥連合チームとの乱戦から始まる今回。殤不患と浪巫謠はともかく、凜雪鴉の力を借りて分身状態でも捲殘雲は刑亥に苦戦続き――せめて得物が慣れた槍であったら、というのは今後へのフラグだと思いたいところですが、とにかく大苦戦の中、偶然触れた蔦の葉とも鏡ともつかぬ物体・逢魔漏が輝き出します。それを見た殤不患は後の二人を引っ張って慌てて捲殘雲に触れると、四人の姿は、その場から消え失せてしまうのでした。

 実はこの逢魔漏こそは、無数の時空に繋がっているというこの無界閣の門ともいうべきもの――その鏡面に映った世界に移動する力を持つというのですが、問題はいつ稼働し、どこに飛ぶのかほとんどランダムということ。しかも転移は同時でも、出た先ではバラバラになってしまうという嫌がらせのようなシステムであります。
 幸いというべきか、この稼働タイミングや行き先は刑亥にも管理できず、おかげで彼女はさんざん異飄渺と萬軍破から辛辣なツッコミを受けるのですが――無界閣の中枢であれば、逢魔漏が稼働した時にその行き先は分かるということで、三人で無数にある逢魔漏を見張る、という何ともローテクな対応を取ることになります。

 それはさておき、四人が飛び出した先は、エジプトっぽい石碑が転がる、赤い空の荒涼とした地――(捲殘雲が)おっかなびっくり歩を進める中、襲いかかってきたのは、髪も肌も衣装も赤い現地の皆さんであります。彼らの持つ杖から飛び出す毒ガスや火炎に苦戦しつつ、何とか第一波は撃退した一行ですが(空気の動きを操るため、こういう特殊攻撃を触れずに撃退できる浪巫謠超有能)、しかしどうやらこの地は高地なのか空気が薄い様子。さしもの達人たちでも、長期戦は不利としか言いようがない状況であります。

 と、場面は無界閣に移り、そこに迷い込んできたのは婁震戒。片腕を失うという深手を負い、不覚にも(いや本当に)転んだ拍子に大事な大事な「姫」こと七殺天凌を手放してしまった彼は、そのまま逢魔漏の力でどこかに転移してしまうのですが――飛び出した先は、これまた荒涼とした、しかし歯車が転がる謎の地であります。そしてそこで彼の前に現れたのは、片腕が機械だったり、片目の回りに機械的パーツがついていたりと、微妙にサイパンなナリの老人・鬼奪天工。
 西幽の人間であったという彼は、魔界への門を開こうとして(何気にとんでもない)失敗、この地に迷い込んで十年暮らしてきたというのですが――それでも研究に専念できたと喜んでいる様は、どう見てもマッドサイエンティストであります。そして彼は婁震戒に対して、失った腕の代わりの機械の義手を提供することと引き換えに、協力を要請するのですが……

 そして再び視点は戻り、やはり殺到してきた現地の皆さんを前に、行き先は不明ながら逢魔漏による転移を敢行する殤不患たちですが――飛び出した先は、かなり文化的な香りのする、そして妙に警備が厳重な建物。しかし、これの建物、どう考えても見覚えがある――と厭な予感がヒシヒシとする中、よりによって浪巫謠一人がはぐれて建物の奥に迷い込むことになります。
 そこで彼が見たものは、妙に壮大かつロマンチックに描かれた彼自身の絵姿で――そう、この地こそは、『西幽玹歌』の主たる舞台となった西幽の王宮。そして彼の前に現れたのは、あの邪悪な釘宮理恵……!


 というわけで、逢魔漏という今回のキーとなるであろう設定の説明をしつつ、いきなり出し惜しみなしという印象の今回。個人的には、スケール感の点で第2期はちょっと残念だったので、今回の舞台、キャラクター双方で何でもアリな展開は大歓迎であります。
 特に今回の終盤、見覚えのある場所が出てきたのには大いに興奮させられましたが――さて、ある意味最大の死地に陥った浪巫謠の運命が気になります。


 しかし今回もボスボロットみたいな役回りだった捲殘雲は、この先、護印師の剣と我流の槍を組み合わせた全く新しい武術で刑亥(脚を使った鞭アクションが素敵!)にリベンジする目が出てきた気もするのですが、むしろヤバイのは、前作ラスボスで今回(部分的に)メカ化という、かませ犬フラグが立ちまくった婁震戒ではないでしょうか……


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