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2021.06.08

こはく『平安あかしあやかし陰陽師』第1巻 超美人・賀茂光栄、怪異に挑む

 「LaLaDX」誌に連載中の『平安あかしあやかし陰陽師』が単行本化されました。遠藤遼の陰陽師ものの第1作『怪鳥放たれしは京の都』の漫画化であります。安倍晴明の師・賀茂光栄と、幼馴染みの歌人・藤原為頼が、京を騒ぐ怪異に挑むことになります。

 太宰府から京に戻って早々、光栄のもとを訪れた為頼。知り合いの貴族から、陰陽師に内密に相談したいと頼まれた彼は、幼馴染みである光栄を頼ってきたのであります。
 為頼、そして弟子の安倍晴明を伴って件の貴族のもとを訪れた光栄。その結果、たわいもない出来事のように思われたこの一件ですが、光栄はその裏に別の企みがあることを感じ取るのでした。

 はたして、実は件の貴族の父親であった右大臣・藤原師輔から呼び出された光栄と為頼。ある晩、内裏からの帰りに人面に蝙蝠のような羽を持つ怪鳥に襲われたという師輔の依頼を受け、物の怪の正体を探る二人ですが……


 現在の知名度という点では残念ながら安倍晴明に譲りますが、賀茂忠行の孫、賀茂保憲の長子という陰陽師界のサラブレッドである光栄(本作では晴明の師となっていますが、史実では晴明の師は忠行または保憲だったかと思います)。

 その光栄を、女性とも見紛う美貌の持ち主として描いた『平安あかしあやかし陰陽師』シリーズですが、その点をこの漫画版が非常に巧みに描き出しているということは、光栄がちょっとびっくりするほど美人に描かれている表紙を見ればよくわかるでしょう。

 もちろん(?)為頼も光栄とはベクトルが違うもののなかなかの美形、そのほかにも、彼らとは二回りほど年上ながらクール系の美形の晴明、そして狐耳&尻尾持ち(普段は隠していますが)の子供姿の式神・小狐と、画面が非常に華やかなのは、実に良いと思います。
(もっとも、それ以外のキャラが、こう――なのはどうかと思いますが)

 もちろんそれだけではなく、怪異の描写や、何よりも漫画としての画面作りなども巧みで、時折差し挟まれるディフォルメキャラによるコミカルなシーンなど緩急付けたところもよく、漫画化としてよくできた作品といえるでしょう。

 この第1巻は原作のちょうど半分辺りまでが収録されていますが、この先、物語はクライマックスに向けて盛り上がっていくことになります。果たしてそれをどのように描いてみせるのか、楽しみにしたいと思います。


 それにしても、小狐の「なんだあの空気」には爆笑しました……


『平安あかしあやかし陰陽師』第1巻(こはく&遠藤遼 白泉社花とゆめコミックス) Amazon

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