わらいなく『ZINGNIZE』第6巻 乱入者たち出現!? 混迷の決戦のゆくえ
愛する人を救い出すため、風魔小太郎との死闘を繰り広げる高坂甚内。太田道灌率いる死人軍団と鳶沢甚内の助勢を得て、小太郎についに痛打を与えたかに見えた高坂甚内ですが、しかし小太郎の怪物ぶりはそれを上回るではありませんか。さらに乱入者たちの出現により、事態は混迷の度合いを増し……
小太郎の手に落ちたくノ一・菊を救い出すため、庄司甚内とともに圧倒的多数の敵を前に絶望的な戦いに挑む高坂甚内。しかし再生太田道灌を味方につけたことによって形勢逆転、さらに圧倒的武力、いや火力を持つ鳶沢甚内も駆けつけ、一気に小太郎との決戦になだれ込むことになります。
もちろん小太郎は言葉通りの意味で不死身の怪物、その身が真っ二つになってもそれぞれが両甚内に襲いかかる化物ぶりですが――そこに一瞬の隙を突き、高坂甚内は切り札・忍法馬酔木を小太郎の身に打ち込むことに成功したのでした。
かつて高坂甚内が小太郎と最初の戦いを繰り広げた際、自身はボコボコになりながらも一矢報いた馬酔木。不死身の肉体――つまりは異常な再生能力を持つ小太郎の唯一の弱点である猛毒を操るこの忍法が、ここに再び、決定的な形で小太郎を捉え、死闘決着と思われたのですが……
しかし高坂甚内が体内でこの猛毒を作り出すメカニズムを模倣(?)し、小太郎はまさに完全燃焼。超人決戦は第二ラウンドに突入し、さらにそこに降り注ぐ無数の爆裂弾――と、これは鳶沢甚内の援護射撃かと思いきやさにあらず。
そこに現れたのはエイリアンハンターの親玉――ではなくて奥州の覇王・伊達政宗と伊達成実、そして片倉重長。鳶沢甚内を遥かに上回る火力でもって戦場を蹂躙する伊達軍の思惑とは?
というわけで、甚内ズ(あ、庄司甚内もようやく合流――馬酔木の巻き添えでいきなり死にかけましたが……)と風魔小太郎の戦いも最終局面と思いきや、とんでもない乱戦となったこの第6巻。
以前から怪しい動きを見せていた伊達政宗がここで本格参戦し、何が起きているのかついていくのがやっとの超バトルが、さらに大変な方向に向かったのには流石に驚かされました。
もちろん、菊の主であり、甚内ズに小太郎討伐を依頼した大久保長安と伊達政宗の間に何やら怪しい繋がりがあった――というのは巷説に伝わるところでもあり、ここでの参戦はなるほど、と思わされるところではあります。
とはいえ、ビジュアル的に絶対誰かの下につきそうもない、むしろ獅子身中の虫になりそうなこの政宗(さらにいえば片倉重長も)、この先も絶対何事か企んでいるとしか思えないのですが……
そしてもう一人驚かされたのは、道牛――小太郎に「先生」呼びで遇されていた、狐めいたビジュアルの男の正体です。
それは江戸と大坂の対立の間で暗躍したあの人物――なるほど、小太郎が大坂の豊臣家と繋がりを持っていたことからすれば、わからないでもない組み合わせですが、まさかこの人物だったとは! と仰天であります。
(というより道牛という号の時点で気付いていなければいけなかったのですが……)
そしてこの道牛、実は小太郎よりも甚内の追っかけであったことが判明。その口から語られる「七つの五右衛門忍法」なる何とも胸躍るワードとは――いやはや、物語もクライマックスのまっただ中に、新たな爆弾が投下されたものです。
そして今度こそ三人揃った甚内と小太郎の決戦の行方は、長安や政宗の陰謀の行方は――まだまだ先が読めない物語であります。
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