11月の時代伝奇アイテム発売スケジュール
いよいよ今年も終盤戦。書いていてお腹が痛くなってきましたが、今月を除いて残すところわずか二ヶ月であります。ここまで来てみるとあっという間の一年だった――というのはまだ気が早い話。何はともあれ11月の時代伝奇アイテム発売スケジュールです。
文庫小説も漫画もそれなりの点数が発売される11月ですが、文庫小説で注目は、何といっても『朱花の恋 易学者・新井白蛾奇譚 (仮)』(三好昌子 集英社文庫)。これまで発表した作品のほとんどが時代伝奇ものの作者ということはもちろんですが、実在の人物である新井白蛾が題材というのが気になるではありませんか。
そのほか新作では、実に今年らしいタイトルの(この状況で江戸に行っていいのかという気もしますが)『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう ステイホームは江戸で』(山本巧次 宝島社文庫)、『えどさがし』に続く『しゃばけスピンオフ』第2巻(畠中恵 新潮文庫)が気になります(同時に『しゃばけごはん』(畠中恵&川津幸子 新潮文庫)も……)
また中国ものでは、五胡十六国時代が舞台だという『霊獣記 獲麟の書』上巻(篠原悠希 講談社文庫)が気になるところです。
一方、復刊・文庫化では、『鬼憑き十兵衛』(大塚已愛 新潮文庫)、『雨上がり月霞む夜』(西條奈加 中公文庫)が必見。
また、山風生誕百周年記念で『銀河忍法帖』(山田風太郎 角川文庫)が登場です。その他、『若さま同心 徳川竜之助 7 卑怯三刀流』〈新装版〉(風野真知雄 双葉文庫)と『二天一流の猿 望月竜之進 十番勝負』(風野真知男 光文社文庫)の風野作品二作も、未読の方はぜひ。
もう一点、『異形コレクション 52 狩人』(井上雅彦 光文社文庫)も、何が収められているかわからないだけに期待です。
さて漫画の新登場では、なんといっても『あおのたつき』第1巻(安達智 コアミックスゼノンコミックスBD)がイチオシ。
――ん? と思われるかもしれませんが、これまで電子書籍オンリーだったあの名作が書籍になるのですから、これはめでたいというほかありません。
そのほか第1巻といえば、永井豪の柳生十兵衛と言われた時のイメージどおりのようなそうでないような――な『柳生裸真剣』第1巻(永井豪とダイナミックプロ 小学館ビッグ コミックス〔スペシャル〕)が登場。
また、ストレートな時代ものというと違和感がありますが、『大蛇に嫁いだ娘』第1巻(シアシクモ KADOKAWAビームコミックス)もおすすめです。
その他シリーズものの続巻では、『カムヤライド』第6巻(久正人 リイド社乱コミックス)、『応天の門』第15巻(灰原薬 新潮社バンチコミックス)、『逃げ上手の若君』第3巻(松井優征 集英社ジャンプコミックス)、『前田慶次 かぶき旅』第8巻(出口真人&原哲夫、堀江信彦ほか コアミックスゼノンコミックス)、『颯汰の国』第9巻(小山ゆう 小学館ビッグ コミックス)、『Cocoon』第2巻(見延案山子&夏原エヰジほか 講談社シリウスKC)、『MUJIN 無尽』第9巻(岡田屋鉄蔵 少年画報社YKコミックス)、『岩元先輩ノ推薦』第2巻(椎橋寛 集英社ヤングジャンプコミックス)――と、古代から大正に至るまで実に様々。
また来月は中国ものも豊作で、おそらく『蓬莱トリビュート』の復刊の『狐の掟 中国幻想選』(鮫島圓 双葉社)のほか、『龍帥の翼 史記・留侯世家異伝』第21巻(川原正敏 講談社コミックス月刊マガジン)、『西遊妖猿伝 西域篇 火焔山の章』第3巻(諸星大二郎 講談社モーニングKC)、『天上恋歌 金の皇女と火の薬師』第4巻(青木朋 秋田書店ボニータ・コミックス)と期待の作品が並びます。
もう一点、「幽」「怪と幽」で連載されてきた『幻妖能楽集』(波津彬子 KADOKAWA単行本コミックス)も楽しみなところです。
こうして挙げてみると思った以上に新刊の多い来月。この勢いで年末まで頑張りたいところです。
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