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2021.10.17

『半妖の夜叉姫』 第27話「銀鱗の呪い」

 十四年前、りんの前に現れた是露がかけた銀鱗の呪い。全身に広がっていく銀の鱗の進行を止めるため、りんは時代樹に封印され、さらに夢の胡蝶によってせつなの夢と眠りを与えられていたのだった。一方、とわたちは朴仙翁のもとに向かい、吸妖魂の根の在り処を尋ねるが……

 吸妖魂の根を探す夜叉姫三人の姿が描かれる今回、しかしそれ以上に印象に残るのは、やはり現在のりんの姿にまつわる真実(そしてそれに伴う様々な謎の解明)であります。

 十四年前、犬夜叉と殺生丸が妖霊星の破片を破壊していた頃――地上で無事を祈るりんの前に現れた是露。麒麟丸を滅ぼすと予言された半妖の子、そして妖怪と結ばれた人間を憎む是露によって、りんは銀鱗の呪いなるものをかけられてしまったのであります。
 首筋についた一片の鱗がやがて全身に広がっていき、見るも無惨な姿に変わって死に至る――この呪いから解放されたければ半妖の娘たちの居場所を教えろという是露に対して、平然と自らの命を捨てようとするりん。あわやというところに殺生丸が帰ってきたことで最悪の事態は免れたものの、是露がりんと「縁」を繋がれたことで、是露を殺して呪いを解くこともできない――是露が立ち去るのを見ていることしかできない殺生丸ですが、邪見の提案で、呪いの進行を止めるため、時代樹にりんを封印するのでした。

 ところがそれだけで終わらず、その中でも進行していく呪い。夢の胡蝶によって近親者から夢と眠りを与えればよい――という時代樹の精霊の助言により、邪見はせつなに夢の胡蝶のさなぎをつけ(とわは現代に飛んでしまったので)、そのおかげでせつなは眠らなければ夢も見なくなってしまったのであります。
 さらに、麒麟丸側についたと見せかけて、是露を倒しかねない犬夜叉(とかごめ)を黒真珠の中に封印した殺生丸――というわけで、ここに第一期で謎となっていた部分の多くが明かされたことになります。

 その一方で夜叉姫たちは、相変わらずせつな以外は騙されたり鈍感だったりと、どうにも不安な状況。そのせつなも、まだまだ所縁の断ち切りを使いこなすことができず、見るからに雑魚妖怪にも手間取る始末――と思いきや、その妖怪は虹色真珠の一つを宿していたのですが、それを横から現れた理玖は一撃で倒し、真珠を回収していきます。
 結局、理玖に教えられたとおりに朴仙翁に会えた三人は、もろはの最強技であるところの話術でまんまと朴仙翁から吸妖魂の根の在処が、産霊山であることを聞き出すのですが――そこは奇しくも夢の胡蝶が生息しているという山。以前からとわが探しながらも、何となく有耶無耶になっていましたが、ここでついに三人は山に向かうことになります。しかし山は見るからに異様な気配を漂わせて……

 そして理玖の働きもあって、あっさり虹色真珠を全て回収した是露ですが、既に真珠にはこれまでの持ち主の記憶が蓄積されている状態。しかももろはが紅差しに入れていたことで、天敵に等しい犬の大将の妻・十六夜の記憶まで入っていたのは皮肉というほかありません。
 一方、是露に相変わらず献身的に仕える理玖ですが、今回是露が語ったその正体は、かつて犬の大将に折られた角から作られた麒麟丸の分身。それゆえ理玖が見たものは麒麟丸に筒抜けになると、理玖は是露から追い払われてしまうのでした。姐さんから捨てられ、もはや理玖にはとわにつきまとうしか途はないのか?(まあ、今までとあまり変わってない気もしますが)


 というわけで、ほとんど謎の在庫一掃状態だった今回。しかし第一期同様、主人公たちはその真実を知らず、視聴者のみ知らされるという構成はいかがなものか……
 それはともかく、殺りん勢にとっては絶許対象となった是露。彼女がどうにかなれば、本作の大抵の問題は解決する気がしますが――何となく虹色真珠の中の十六夜の記憶が事態打開の鍵になる気もいたします。
(そして邪見も、真実が明らかになったらとわに殴られても文句は言えないと思う)


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