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2021.12.05

『半妖の夜叉姫』 第34話「決戦の朔(前編)」

 朔の晩、狸穴将監に再戦を挑む決意を固めるかごめ。八衛門狸は、彼女にかつて犬夜叉とかごめたちが、将監と満月狸を破った時のことを語る。一方、朔で力を失い猛烈な眠気に襲われたせつなは、襲いくる妖怪たちへの対処法を仲間たちに書き残す。そしてとわは是露の術によって囚われの身になり……

 三パート構成はまだまだ続き、今回はもろはサイドがメイン。とはいうもののむしろメインは過去の犬夜叉たちのエピソードという印象で、それに加えて朔の晩のとわとせつなの姿が描かれるといったところでしょうか。

 前回、あっさりと狸穴将監に敗れて紅夜叉の副作用で眠りについたもろはですが、ようやく復活。かつて自分が動きを封じられた巨大な目玉が朔の晩は機能しないと聞き、現代に行った時にTVで見た怪盗(ああ、お父さんに似た声の……)が乗っていたというハングライダーを作り、空から島に潜入を決意するのでした。にしても現代から本を持ち込んだとはいえ、いきなりハングライダーを作るという転生系みたいなことをするもろはよ……

 一方、朔を迎えたとわは、自分のことよりもせつなの方を心配するのですが――理玖はそんな彼女のある意味執着心に、かつての是露に通じる危険なものを感じるのでした。
 そしてそのせつなは、北国から帰る途中でしたが――今まで夢の胡蝶がいたためにある意味守られていた朔の影響をモロに受け、ただでさえ長い髪がさらに伸びた(解いただけ?)上に、顔つきや声音までいつもと違う、普通の少女らしい状態となってしまうのでした。そんな中で、自分を狙って妖怪たちが現れることを知ったせつなは、何とか翡翠たちに対処法を書き残して眠りにつくのでした(この対処法の巻物が妙に大量なのはツッコミどころか……?)

 さて、紅の爆流破まで弾き返すというある意味とんでもない力を持つ将監と満月狸を、かつてどうやって自分の両親が破ったのか、八衛門狸に聞くもろは。
 かつて弥勒とつるんでいたものの、元々は狸穴島の家老の家の出だった八衛門。その縁で、弥勒と珊瑚、そして犬夜叉とかごめは、将監の野望を阻むために島に向かうことになります。踊り子に扮したかごめと珊瑚によって昂ぶった気持ち(意味深)になった狸穴将監は本性を現して暴走することになります。幻術で美女たちを呼び出して弥勒を幻惑せんとする将監ですが、さすがに奥さん同伴で戦っている相手に効くはずもありません(といいつつ弥勒が結構動揺してるのはお約束)

 一方、八衛門とともに満月狸に挑むかごめは、八衛門に乗って目玉の死角である直上方向から天空の矢衾で攻撃、さすがのとてつもないパワーで満月狸を一発封印、満月狸は屏風と化すのでした。しかしその後、厳重に封印されていた満月狸は嵐で封印が解けてしまい、将監は復権――将監に毒殺されかかった幼い竹千代を救い出した八衛門ですが、既に犬夜叉とかごめは消息不明だったため、弥勒はやむなく屍屋の獣兵衛に竹千代を預けたのでした。
 ――と、長い過去話を聞いたもろはでしたが、結局将監の術を犬夜叉たちがどうやって破ったかは、八衛門は見ていないので謎のまま。それは竹千代の家来のタカマルを通じて弥勒か珊瑚に聞いてみることとして、とりあえずもろはは八衛門・竹千代とともに、再び出たとこ勝負で狸穴島に挑むことになります。

 そして引き続き理玖・りおんと行動を共にするとわですが、そこに現れたのは、是露が送り込んだ無数の光る蝶・夜行蝶。咄嗟にりおんを庇ったとわですが、是露の狙いはあくまでもとわ――蝶は術符に姿を変え、その力で彼女が飛ばされた先は、あの公家妖怪・七星の庭園で……


 というわけで、八衛門狸と愉快な仲間たちこと、犬夜叉一行の姿を久々に見ることができた今回。あまり目立ちすぎると娘たちを食ってしまいますが、こういう語られざる過去の冒険という形での登場は歓迎です。

 そして三元中継のうち、ようやくもろはに出番が回ってきましたが、決着はおそらく次回。せつなのエピソードは終わったかと思いきや、朔のおかげでちょっと波乱含みの展開、そしてとわの方はいよいよこれからが本番といったところで、まだまだ三人が再会する日は遠いようです。

 遠いといえば、もろはのパワーアップもまだ遠そうですが……


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