6月の時代伝奇アイテム発売スケジュール
今年ももう1/3が過ぎてしまったという事実に愕然としている間にゴールデンウィークが始まり、5月もあっという間に終わりそうな勢いです。来月は祝日がない月というだけで挫けそうですが、せめて新刊に希望を託したい――というわけで6月の時代伝奇アイテム発売スケジュールです。
と、希望を託すと言っておいてなんですが、実はかなり発売点数が少ない6月。文庫新刊では、ある意味里帰り感のある作者の『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』(乾緑郎 宝島社文庫)くらいではないでしょうか。
一方、文庫化・再刊では、『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』(宮部みゆき KADOKAWA角川文庫)のほか、おそらく徳間の復刊レーベルからいま出さずにいつ出すという気もするアイヌ・幕末・西部伝奇『カムイの剣』第1巻(仮)(矢野徹 徳間文庫)が刊行。またヨコジュンの中村春吉シリーズ最後の一冊、『日露戦争秘話 西郷隆盛を救出せよ』(横田順彌 竹書房文庫)もついに登場です。
そのほか、『化物蝋燭』(木内昇 朝日新聞出版朝日文庫)、『おらんだ左近(仮)』(柴田錬三郎 集英社文庫)、『時代小説 ザ・ベスト2022(仮)』(日本文藝家協会 集英社文庫)などがあります。
しかし個人的にイチオシは、安史の乱を背景に大切な人を喪った兄妹の数奇な運命を描く『震雷の人』(千葉ともこ 文春文庫)――既にオープンになっているように、私が解説を担当しているから言うわけではありませんが(いやそれもものすごくありますが)、単行本版から相当量の加筆修正が行われた本作、より胸に刺さる内容となっておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
そして漫画の方ですが、残念ながらかなり点数はさらに少ないというのが正直なところ。
五稜郭決戦から地獄行き列車突入の『ゴールデンカムイ』第30巻(野田サトル 集英社ヤングジャンプコミックス)、地獄展開と野球編という振り幅がありすぎる『カムヤライド』第7巻(久正人 リイド社乱コミックス)のほかは、『逃げ上手の若君』第6巻(松井優征 集英社ジャンプコミックス)、『柳生裸真剣』第2巻(永井豪とダイナミックプロ 小学館ビッグ コミックス〔スペシャル〕)、『青のミブロ』第3巻(安田剛士 講談社コミックス)、『MAO』第13巻(高橋留美子 小学館少年サンデーコミックス)あたりが目につくくらいです。
また、武侠ものとしては、『剣仙ヒョウ局 ケンセンヒョウキョク』第1巻(真じろう&深見真 スクウェア・エニックスビッグガンガンコミックス)が、舞台こそ架空の中華風世界ではありますが、原作者が原作者だけに気になるところです。
というわけで5月から打って変わって点数が少ない6月、過去作も投入して頑張りたいと思います……
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