『アンデッドガール・マーダーファルス』 第8話「夜宴」
<最後から二番目の夜>をルパンが手にしたと思われたとき、乱入してきた五人の怪人・怪物たち。フォッグ邸の各所で卍巴の戦いが繰り広げられる中、ホームズと鴉夜の前に、それぞれに因縁を持つモリアーティ教授が現れる。はたして教授の狙いとは、そしてダイヤの行方は……
早いものでアニメ第2章「ダイヤ争奪編」も今回で完結。<最後から二番目の夜>を巡る頭脳戦はルパンの勝利に終わりましたが、そこに乱入してきた怪物たちをも交えた怪盗vs名探偵vs怪物vs怪物専門探偵の大乱戦が引き続き展開します。
津軽vsルパンvsレイノルド
ファントムvsファティマ
静句vsカーミラ
ホームズ&ワトソンvsクロウリー
このメンバーの中に大本命である人斬り――ではなく切り裂きジャックが加わりもう滅茶苦茶な混線模様。いずれも時間にしてみればあっという間なのですが、しかしそれぞれが自分の能力、自分の持ち味を存分に(一部例外あり)活かしていたかと思います。
特にファントムは、この面子の中で活躍できるのだろうか? というこちらの第一印象を覆すような出自と能力と舞台の噛み合い方が説得力十分の活躍で、前回も触れましたが音響面の素晴らしさもあって、ファンとしては大いに納得でした。
その一方で大いに納得できないのがホームズで――このバトルの中で最大の見せ場である「場律(バリツ)」の発動シーンに説明がないことから何が起きているかわからない上に、(これはバトルシーンではありませんが)ラストの<最後から二番目の夜>の暗号の謎解きも原作ではホームズの役割だったのが鴉夜に取られる有様。前回の描写も合わせると、ホームズ一人が割りを食っている印象が強くあります。
ルパンや鴉夜を上げるための描写かもしれませんが、原典ありのクロスオーバーであれば、どの作品も、どの登場人物も、基本的には皆等しく扱ってほしい――と思います。ホームズの演技自体は相変わらず素晴らしい(モリアーティの復活を前に、往年の活力が戻ったかのような声音になるところなど特に)だけに、残念でなりません。
(ライヘンバッハの滝の描写も良かったですね)
と、ホームズファン的には不満の残る内容ではありましたが、『アンデッドガール・マーダーファルス』という作品としては、今回は満足のいく内容であったことは確かなところではあります。特に津軽の飄々としてどこまでも底を見せないキャラクターは今回も好調で、ラストのエンディングに被せての大逆転劇は痛快の一言でありました。
そして次回からは「人狼編」突入ですが――人狼編で5話使うのでしょうか。分量的にはそれくらいでもおかしくはありませんが……
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