『明治撃剣 1874』 第捌話「卍巴」
大久保利通暗殺を狙うも、寸前に静馬に阻まれた澄江。衝撃を受けながらも静馬は澄江を見つけるという目的を果たし、警察を辞職する。一方、東京では月が消えて木彫りの鯛が空から降ってくる怪現象が発生。調査にあたるせんりは、山中の奇怪な工場を発見。そこには狂死郎たちも目を付けていたが……
実は今回を入れて残すところわずか三話という終盤に突入している本作。今回の前半だけでも、大久保暗殺失敗→静馬と澄江=雛鶴の再会→静馬が警察を退職→中澤琴と澄江の対面 と、色々と事態は動きました。特にこの後の展開も含めて、これまで蚊帳の外状態だった静馬がようやく物語に噛み始めたのは嬉しいことではあります。
(これまたこの後の展開も含めて、傷を負いすぎな主人公ですが……)
そんな中で、いきなり起きたのは、月が消えて木彫りの鯛が空から降ってくるという、字面だけでは何が起きているのか全く分からない怪現象。映像を見ると、まあその通りなのですが、幻術使いはいても妖術使いはいない(はずの)作品なので、何か種はあるのだと思われますが――まあ、どちらも空が絡んでいることで、何となく予想はつくところではあります。
そしてそれが後半のクライマックスである、平松の秘密工場での激突に繋がっていくことになります。何故か大久保暗殺よりもこちらを重視するパークスに依頼されて、怪現象の謎を追うせんりは、目撃証言を遡ることで山中の工場を発見。ところが目の前で幻丞が二人組の用心棒のうちの一人・ビリーに撃たれてダウン、捕らえられたことがきっかけで、狂死郎と藤田・ダリオが工場に急ぐことになります。さらに誰がどう見ても暗殺者・鴉としか思えない牧野巡査の知らせで狂死郎を追ってきた静馬も駆けつけることに……
既に工場の役割は済んでいたのか、そこで作っていた何かを運び出すや、工場に火を放つ御前一派。しかしそこに残ったのはビリーとギャロの用心棒コンビ、そして狂死郎に恨みを持つ守屋組若頭・後藤という顔ぶれで、狂死郎たちを迎え撃っての大乱戦がスタートいたします。
ダリオvsビリーは、スナイパー同士の対決なのに途中でデカい声を出したダリオの負け(しかし生存)、狂死郎vsギャロ・後藤は、またもやガトリング砲を持ち出してきて守屋組の連中を平気で巻き込むギャロを後藤が殺すという内輪揉めが発生。その隙に逃れた狂死郎と幻丞の前に、危うくまたも蚊帳の外になるところだった静馬と牧野が――という、目まぐるしい戦いの上に、火が燃え広がった工場がガンガン崩れてくるのでもう大混乱であります。
しかしギャロが幻丞から奪った幻覚線香を持っていたことで、後藤はその煙に巻かれ、異常にバケモノチックになった狂死郎(幻丞の線香、相手の深層心理の恐怖を増大させるということなので、まあそうなのでしょう)と戦った末に炎の中に消え、そして牧野も倒れてきた柱に潰されたところを静馬に助けられたものの、その際に小山内を殺した短剣を見られ、よせばいいうのに口封じをしようとして返り討ち――と、プチトーナメントバトルの末に最後に残ったのは、静馬と狂死郎・幻丞・ダリオ・藤田という顔ぶれとなりました。
一方、政府の側では、大久保にまで平松の魔手が及んだことで、西郷隆盛を呼び戻すことを決定。しかしこれこそが新政府に混乱を招き、弱体化させようという平松の思う壺なのか、当の平松は、松平容保を担ぎ出して最後の詰めに出たようですが――しかし前回の口封じの件といい、平松は少なくとも表面上は松平容保のことを敬っているのが意外といえば意外、納得といえば納得。実は利用していただけだった、ということにはならず、彼は彼なりの忠義があった、としてくれると盛り上がりますが――容保といえば藤田とは縁浅からぬ仲(いや静馬もそうなのかもしれませんが)ゆえ、気になるところです。
それにしてもクレジットを見るまで気付きませんでしたが、西郷隆盛を演じるのは大川透さんでしたか! 相変わらず妙なところでキャストが豪華――本作の西郷、ステーキを手づかみで食ったり、猪を生で食ったりする、色々と怒られそうなキャラですが……
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