『君とゆきて咲く~新選組青春録~』 第6話「もうこの手を離さない」
会津藩との謁見の場で披露する剣舞の技がなかなか身につかない丘十郎。沖田から指南を受けるも「自然体」に到達できず悩む丘十郎は、芹沢の言葉をきっかけにヒントを掴む。一方、大作の方も丘十郎のひたむきさに打たれ、心の通じ合った二人は、再び剣舞に挑む……
今回も「原作とは……?」という剣舞特訓の後編。大作とのコンビで剣舞を演じるはずが、自分だけ技が思うように決まらず、しかも大作には「イノシシらしく走ったら」と適当にあしらわれて(というか滅茶苦茶disられてないか、これ)傷心の丘十郎は、沖田に剣を学ぼうとするのですが――沖田の言葉は含蓄があるものの、それはどう見てもある程度以上の修行を積んだ上級者用のもの。素人同然の人間が真似しても大ヤケドをするだけでしょう。
案の定、沖田の言う「自然体」の境地に全く至れず苦労する丘十郎。そんな中、「ご法度だぁ」と芹沢(この人は毎回出てくるたびに面白いことを言うから困る)に捕まり、隊の中でぶっちぎりの庶民だからと用事に無理やり付き合わされる丘十郎。そこでギリギリまで追い詰められてもう力が入らねえって極限を知らなければ自然体にはなれない――などと芹沢にぶつけられた言葉が、丘十郎を閃かせます。そういえば新選組の入隊試験の場で、初対面の大作に散々打ちのめされた末、いきなり覚醒して滅茶苦茶な動きを見せたっけ……
一方その大作は、「イノシシを馬鹿にするな!」と斜め方向に怒った南無之介に突き飛ばされたりしていましたが、そんな新入生たちに気を回した原田と斎藤に無断外出に連れ出されて蕎麦屋へ。そこで体育会系の気質を発揮する原田と、沖田とは別の意味でマイペースの斎藤に困惑顔の大作ですが――丘十郎が走り回っていると知り、駆け出します。
(この場面、隊費で飲み食いしてる原田たちに腹を立てながらも「必要経費」と見逃す山南が素敵)
そして自らを「自然体」になるまで走り込みで追い詰めていた丘十郎と再会した大作は、(大作の言葉を馬鹿正直に信じる)丘十郎の真っ直ぐな瞳に打たれ、二人で稽古を再開するのでした。
まあ話の流れ的にここまで来て失敗することはありえないわけで、そろいの羽織で剣舞は無事成功するのですが、怪しげなステージライトが照らされる中で踊るのはさすがに悪乗りしすぎ。まだ山南が照明係をやっていたらまだ面白かったのに……(面白くない)
さて、その一方で完全に浪士組ストーカーと化していた庄内は、会津藩邸襲撃を企てていたものの、間者から「壬生浪士組は若人の寄せ集め ぬるま湯ナリ」という報告を受けた桂小五郎の指示で襲撃ストップ。憤懣やる方ない庄内ですが――いつもの大作の昔の男回想の中で、実は庄内も大作のかつての友であったことが判明します。
この辺り、原作読者としてはどういう顔でリアクションをしたものか悩むのですが、庄内がたびたび間者の存在を口にしていることから考えると、間者とはすなわち――となってしまいます。
しかしこんな早い段階でそれを明かすか、そもそもこれはあまりにも直球すぎないか? 考えてみれば、一緒に剣を磨いていた(?)からといって同じ藩の人間だったり同志とは限りません。これは一種のミスリードで、間者は別にいるのでは(あのキャラ描写が薄い割りに、やたらとあちこちに顔を出す渋皮とか怪しい)と予想しますが――さて。
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