6月の時代伝奇アイテム発売スケジュール
もう今年も半分近くが過ぎてしまう――そんな事実に愕然としつつ、月に一度の楽しみである新刊情報に目を向ければ、6月は特に小説が大変な充実ぶり。5月の寂しさが嘘のような、6月の時代伝奇アイテム発売スケジュールです。
というわけで先月との差にちょっと驚いてしまう6月の文庫小説のラインナップですが、まず新作ではシリーズ第三弾にして完結編の『剣樹抄 インヘルノの章』(冲方丁 文春文庫)、早くも続編登場の『あらごと、わごと 魔軍襲来』(武内涼 徳間文庫)、さらに『戦国快盗嵐丸 今川家を狙え』(山本巧次 講談社文庫)と『軒猿の娘』(岩室忍 中公文庫)、これだけでも嬉しくなってしまうラインナップ。
さらに、新作劇場版公開を7月に控えた『モノノ怪』ノベライズが、『モノノ怪 鬼』(仁木英之 KADOKAWA角川文庫)と『劇場版モノノ怪 唐傘』(新八角 同)、一気に二点登場します。
この二点はどちらも角川文庫ですが、これに加えて文庫化・復刊でも『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』(宮部みゆき)、『幻月と探偵』(伊吹亜門)、『黒牢城』(米澤穂信)と、角川文庫から惜しみもなく一気に刊行。ちなみに『三島屋変調百物語』は、漫画版の第3巻(宮本福助&宮部みゆき KADOKAWA BRIDGE COMICS)も同月に刊行されます。
そしてそれに加えて単行本では『歌人探偵定家 百人一首推理抄』(羽生飛鳥 東京創元社)、そしてそしてシリーズ完結編の『了巷説百物語』(京極夏彦 KADOKAWA)が刊行と、もういつ読めばいいのか!? という嬉しい悲鳴を上げるしかありません。
(しかし了巷説百物語は、定価にも軽く悲鳴が上がりますが……)
さて、小説のインパクトにちょっと霞みますが、漫画もかなりの点数が登場します。
特に新登場は三点、題材の意外さに驚かされる『ごぜほたる』第1巻(十三野こう 集英社ジャンプコミックス)、真正面から忍者を描く『Xinobi ―乱世のアウトローたち―』』第1巻(藤堂裕 集英社ヤングジャンプコミックス)、そしてちょっと意外な作品の漫画化の『楊貴妃、綺羅羅』第1巻(中澤泉汰&夢枕獏ほか 秋田書店プリンセス・コミックス)が刊行されます。
その他、シリーズものの続巻では『修羅の刻』第22巻(川原正敏 講談社コミックス月刊マガジン)、『どろろと百鬼丸伝』第10巻(士貴智志&手塚治虫 秋田書店チャンピオンREDコミックス)、『鉄腕ザビエル』第2巻(美谷尤 講談社モーニングKC)、『ZINGNIZE』第11巻(わらいなく 徳間書店リュウコミックス)、『柳生裸真剣』第6巻(永井豪とダイナミックプロ 小学館ビッグ コミックス〔スペシャル〕)、そして『ガス灯野良犬探偵団』第3巻(松原利光&青崎有吾 集英社ヤングジャンプコミックス)と、気になる作品が並びます。
祝日がないことで勤め人を悲しみに暮れさせる6月ですが、これだけのラインナップが並ぶのであれば、むしろ早く来てくれ、といいたくなりますね。
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