『鬼滅の刃』柱稽古編 第四話「笑顔になれる」
次なる稽古、時透無一郎の高速移動の訓練に向かった炭治郎。そこで打って変わって明るくなった無一郎に歓待される炭治郎だが、無一郎は他の隊士たちには相変わらず冷たい態度を取る。先に訓練を終えた炭治郎は、無一郎を案じて、ある提案をするのだった。
前回の五コマで一話には負けますが、今回は原作の九コマ分で一話分という十分スゴいエピソード。前章に当たる刀鍛冶の里編で活躍した霞柱・時透無一郎がメインとなります。
原作では、初登場時の
「こう…何かこう…すごく嫌!! 何だろう 配慮かなぁ!? 配慮が欠けていて残酷です!!」
な感じはどこへ行った、という感じで炭治郎にデレデレになった無一郎の姿と、平隊士たちには相変わらず「配慮が欠けてて残酷」な姿のギャップが非常に楽しかったのですが、そこだけアニメ化しても大正コソコソ噂話くらいの尺で終わってしまうので、まあ色々と引き伸ばすのはわからないでもありません。
それでは何を伸ばしたかといえば、中心になるのは平隊士との関係性で――無一郎が上記の通り平隊士には塩、というより氷のような対応なのにいたたまれなくなった炭治郎が、無一郎のほとんど唯一の趣味が紙飛行機作り(公式ファンブックでの「趣味:折り紙(死ぬほど飛ぶ紙飛行機を作れる)」を踏まえたものでしょう)と知って、紙飛行機飛ばし勝負を挑むことになります。
こいつ、義勇さんに効果があった(誤解)ので味をしめたのでは、という気がしないでもないですが、炭治郎が勝ったらもっと平隊士に柔らかく当たるという勝負の行方は――ちょっと意外といえば意外ですが、そこから平隊士の側の立ち上がり(というか歩み寄りというか)に繋げていくのは、なかなか面白い展開であったかと思います。
ただ、前回の平隊士の描写は、この先原作では明確に繋がってくる部分があるのですが、今回は原作には繋がる部分がない気がするので、そこはちょっとどうなのかな、という気はします。もちろん、純粋に無一郎のキャラクターの掘り下げということでもよいのですが……
また、無一郎のキャラの掘り下げといえば、鉄穴森さんを自分の屋敷に監k――いや招請して、刀を研いでもらっているという描写があったのは、これは刀鍛冶の里編を経て、認識を180度改めたということを描いているということでしょう。同じ鉄穴森さんが担当している伊之助の刀はどうするんだろう――という気はしますが、絶対鉄穴森さんは伊之助許してないだろうからまあいいのかしら。
(もう一つ、鉄穴森さんが研いだ刀が、吹紙飛行機剣になってるのはちょっと面白かった(水滸伝ファン))
また、前回密かに会っていた風柱と蛇柱が立ち合いをする描写を受けて、毎晩立ち合っていたらしい二人に無一郎も合流して、三つ巴の戦いを演じるというくだりもオリジナル描写。なるほど確かに平隊士相手では柱自身の稽古にはならないわけで、こうして自主トレするというのはわからないでもありません。風柱は絶対好きでやってるだけだと思いますが……
そしてアニメの柱稽古編でやたらとオリジナル描写で風柱と蛇柱がフィーチャーされるのは、二人の過去描写/キャラの掘り下げがまだ描かれていない(この先描かれる)ために、いまそれを踏まえた描写をするわけにはいかないからなのだな――と、遅ればせながら前回と今回を見て気付きました。
そしてこの調子で行くと次回は恋柱回かと思いきや、どうやら風柱までいくようですから、恋柱と蛇柱は一気に次回描かれるのでしょう。まあ、野郎レオタード責めを延々と描かれても困りますし……
それにしても、実は今回の本当の今後に繋がる描写は、炭治郎と無一郎の鎹鴉かもしれません。(今後、というレベルではないですが……)
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