『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀4』 第4話「奇巧対決」
異飄渺に化けて魔界に潜入した凜雪鴉は、霸王玉と花無蹤それぞれに対面、互いの反目を更に高める。その頃西幽では、嘲風の軍が睦天命と天工詭匠を襲う最中に鬼奪天工が乱入、禁断の兵器で暴れ回る。一方、自らの在り方に葛藤する浪巫謠は、力を発揮できず、迦麗の猛攻に追い詰められるが……
相変わらず様々な勢力のキャラクターたちが、それぞれの場所で派手に動いてまことに賑やかな本作ですが、今回も見どころ十分。冒頭から、異飄渺に化けた凜雪鴉がいよいよ暗躍を開始します。
禍世螟蝗から霸王玉と花無蹤の監視を命じられたのをよいことに、それぞれに接近してはプライドを絶妙にくすぐり、その上で相手への反感を高めるという、実にタチの悪い動きを見せる凜雪鴉。特に元盗賊で自分の知謀に絶対的な自信を持つ花無蹤は、どう考えてもキセル野郎にとっては最高の獲物であるはずで、この先プライドをズタズタにされた上に組織での地位やら何やら全てを失うのではと楽しm――いや心配でなりません。
さて、そんな神蝗盟側の動きを前フリに、今回のクライマックスの一つとなるのは、西幽での睦天命・天工詭匠と嘲風の軍勢の戦い――にガトリング砲片手に乱入してきた鬼奪天工と天工詭匠の戦い。さすがにこの世界においてもガトリング砲は規格外の代物なのか、嘲風以下が目を白黒させている間にガトガト放たれる銃弾は、主に彼女の軍勢の方を蹴散らしていきます。しかし鬼奪天工の狙いは天工詭匠、天工が名に付く同士で過去に色々と因縁があるようですが――しかしガトリング砲まで出してくるとは辛抱たまらんと、天工詭匠は睦天命を置いて、自分の洞窟の中に飛び込みます。
ガトリング砲に対抗できそうなもの(そしてそれだけの説得力があるもの)など、そんなに多くはありませんが、まさか――と思っていたところに現れる天工詭匠。その姿は――ロボ(正確にはパワードスーツ)!? いやはや、悪い予感が当たったというか、「武侠とは」という疑問に真顔にもなろうというものですが、まあガトリング砲もロボも、時代伝奇ではアリなのですから、武侠ものでもアリでよいでしょう(どちらもよくない)。
何はともあれ、絶対的優位を確信していたところに後出しで登場した驚異のテクノロジーに鬼奪天工も浮足立ち、ガトリング砲を乱射するものの、ロボの前では豆鉄砲同然。さらにその隙を睦天命に突かれて音波攻撃で弾倉を切られたところに、ロボのメガトンパンチ一閃! 鬼奪天工はひとたまりもなく吹き飛ばされます。
しかし鬼奪天工の望みは魔界の土を踏むこと。最後の力で天空に魔界への扉を開けた彼だけでなく、嘲風とかわいそうなお付きが、そして睦天命が扉に引きずり込まれたのを見た天工詭匠も扉に飛び込みます。しかし念願の魔界で満足気に息絶えた鬼奪天工はともかく、巻き込まれた面々は、ただ呆然とするのみ……
ちょうどその頃、浪巫謠は自分を獲物として襲いかかってきた迦麗を前に防戦一方。さすがにその身を心配する刑亥ですが、阿爾貝盧法は何も分かっていないと一笑に付します(最近刑亥こんな役ばっかり)。浪巫謠が押されているのは、単純な実力差ではなく、その身に宿る魔界の血に戸惑い、自分が魔へと変じることに恐れているため――そんな浪巫謠に、聆牙が声をかけます。単なる道具でも武器でもなく、互いに命を預けた相棒として――その言葉に、たとえどうなったとしても、仇である阿爾貝盧法を討つという強い想いを取り戻した浪巫謠は、再び覚醒し、凄まじい叫びをあげます。
その声は、聴覚の鋭敏さでは右に出るもののいない睦天命に届いただけでなく、浪巫謠に激しく執着し(元はといえばその想いがこじれた末にこうして魔界に放り込まれる羽目になった)嘲風――魔界の扉から落ちてきた時に、かなり危ない頭の打ち方をしてダウンしていた彼女をも一発で目覚めさせます。
そして荒れ狂う浪巫謠の力は暴風のように迦麗を翻弄、ついにその槍を砕き、彼女の身を貫きます。かくて魔宮第七位を斃し、その印章を受け継ぐことになった浪巫謠ですが――もしかして位だけであれば父親を上回ったということでしょうか。
一方、かつての仲間たちが魔界で大変なことになっているとは露知らず、殤不患は捲殘雲と丹翡を連れ、鬼歿之地の砂嵐の中を歩んでいるところで――と、今回も危うく出番なしのところをギリギリ間に合って、次回に続きます。
関連サイト
公式サイト
関連記事
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀4』 第1話「帰郷」
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀4』 第2話「魔界の宴」
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀4』 第3話「侠客の決意」
| 固定リンク