『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀4』 第3話「侠客の決意」
悍狡を倒したものの、そこが魔宮第七位の迦麗の狩場だったことから、彼女の襲撃を受ける浪巫謠。一方、鬼歿之地に向かう丹翡と捲殘雲を見送ろうとした殤不患は、突然前言撤回し、やはり自分も行動を共にすると告げる。その頃、西幽では嘲風の軍勢が、睦天命と天工詭匠を襲撃。さらにそこに……
伝奇ものの醍醐味の一つは、様々な勢力が折り乱れての乱戦・混戦にあると思いますが
本作はまさにその醍醐味が横溢。前回登場した安索亞特と覇王玉&花無蹤はお休みでしたが、代わって魔宮第七位の迦麗が新登場。魔界でも西幽でも混戦模様の中、前回全く出番のなかったあの男がついに……
というわけで、サブタイトルから察せられるように殤不患がようやく立ち上がるのですが、冒頭に登場したその姿は、これまで同様に覇気のないもの。自分が動いて周囲の人間が傷付くのはもう耐えられないんだ! と、侠客にあるまじきナイーブ無双っぷりです。これはさすがにキセル野郎ならずともガッカリ度が高いですが、さすが名門の奥様はそんな態度はおくびにも出さず、丹翡は捲殘雲と鬼歿之地に向かうと告げます。
まあ、少なくとも殤不患が気にしていた片翼ドラゴンは、ヤンデレの無理心中を邪魔したばかりに既に惨殺されているのですが、仮にそれを知っていても彼の考えは変わらないでしょう。旅立つ二人のために、鬼歿之地マップを作って来たのは彼らしい人の良さですが……
しかし彼は、捲殘雲がつけていた対瘴気用のマスクを見て、突然何かを悟ったような態度を見せ、自分も同行すると言い出すのですが――果たして彼は捲殘雲に何を見たのか? これまでの物語でそれらしい場面はなかったように思いますが、前期で時を超えた時に何かあったのか、あるいは彼の語られざる過去になにかあったのか? 謎は深まりますが、何かと安否が気遣われる捲殘雲が、想像以上に重要人物なのは間違いないようです。
一方、前回魔族の血に覚醒した浪巫謠は息も絶え絶えですが――そこにさらなる嫌がらせ、いや試練を用意していたのは阿爾貝慮法。実は浪巫謠が悍狡を倒した場所は、魔宮第七位・迦麗の狩り場――そこでいわば獲物をかっさらった浪巫謠がただで済むはずもありません。果たしてその場に現れた迦麗――前回登場した安索亞特が陰謀家の蜘蛛繫がりで花無蹤に重なるものがあったのと対照的に、こちらはバトルマニアの女傑ということで覇王玉を連想させるキャラクターですが――は、早速浪巫謠に襲いかかります。
連戦とはいえ黙っていては殺られるのみと応戦する浪巫謠ですが、窮暮之戰後に魔王が作り上げた秩序を崩壊させようと企む阿爾貝慮法にとっては、この事態はその手段の一つにほかなりません。その手足となることを命じられた刑亥こそいい面の皮ですが、今回は聆牙に凄まれてたじろぐなど、この先が心配になるばかりです。
さて、冒頭に触れた通り、今回は出番のなかった覇王玉&花無蹤ですが、さすがにあの二人だけは拙かったかな――と禍世螟蝗も思ったらしく、異飄渺をフォローに送り込みます。といっても、連絡取ったらいきなり魔界行けという無茶苦茶ぶり(一応、準備もせずに行って大丈夫か、的なことは言いますが……)。もう一つの顔の方で萬軍破に反旗を翻されたのもこういうところなんじゃないかな――と思いますが、もしかしたら異飄渺の正体に気付いて嫌がらせをしたのかもしれません。
もっとも、キセル野郎は四次元ポケットの一つも持っていそうな感じなので、ケロッとしていそうですが……
そして前回ラストに描かれた嘲風の睦天命&天工詭匠攻めですが、言うまでもなく相手が悪く、兵隊はバッタバッタとなぎ倒されていきます。睦天命の琴によるマップ兵器攻撃は、音を使って撹乱するという嘲風の指示で封じることができましたが、むしろより恐ろしい天工詭匠のトラップが発動。ついにはガトリング砲まで――いや、ガトリング砲はやりすぎでは? と思いきや、そんなものを持ち込んだのはなんと鬼奪天功!?
カラクリ使い同士の因縁のようですが、ただ出すだけでもなんか面白いガトリング砲を、武侠もので、しかも年寄りが持って乱入という絵面の面白さが、今回描かれた全てを吹き飛ばして次回に続きます。
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