『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀4』 第6話「謀略の渦」
人間たちによる阿爾貝盧法の城の襲撃は衝撃を呼び、魔王は魔界に入り込んだ人間の排除を命ずる。しかし花無蹤と霸王玉の前にそれぞれ魔宮貴族・烏蕾娜と佩雷斯が現れて取り引きを持ちかけ、安索亞特も浪巫謠に接近する。一方、鬼歿之地の高地に辿り着いた殤不患はある推測を語る……
気がつけばもう第六話になった本作ですが、まだまだ状況は混迷の一途を辿ります。前回のラストで、阿爾貝盧法の居城に踏み込んだ浪巫謠と花無蹤が激突することになりますが、なるほど共に西幽の有名人らしく互いを知る二人の戦いは、本来の目的には関係ないと見切った浪巫謠が無駄に父親の部屋を破壊しつつ撤退。残された花無蹤と、後からやって来た霸王玉も城を去ります。
しかし、少なくとも浪巫謠についてはほとんど自作自演に近い阿爾貝盧法は、しれっと魔宮会議に被害者面で出席。犯人は神誨魔械を持った人間と告げたことで、一同を困惑させます。専守防衛に目覚めた魔王様は、この状況に侵入者の人間排除を命じるのですが――それを受けてバックレた安索亞特に放り出された形なのは神蝗盟の二人です。
しかしそこに現れた異飄渺の顔をしたインチキキセル野郎が、「盟主の狙いは魔宮印章なんですよ。あれ、聞いてなかったですかあ?」と煽りを入れた(また、「魔宮印章を集めると魔神の力が得られる」と、絶妙にずらしたことを言うのがイヤらしい)ことで、二人の間はさらにヒビが入っていきます。
それぞれ手分けして安索亞特を探そう、などと手がかりもないのに言い出すあたり、既自認するほど冷静ではなくなっている花無蹤ですが、一人になった彼の前に現れたのは、魔宮第五位の烏蕾娜。そして霸王玉の前にも魔宮第六位の佩雷斯が現れ、それぞれ安索亞特の時と同じような取り引きを持ちかけます。公式サイトのキャラクター紹介によれば、共に今の魔王の路線に反発する過激派、そして互いをライバル視している二人が、同様に犬猿の仲である神蝗盟の二人に近づけば、碌なことにならないのはめにみえています。
一方、徒労感に打ちひしがれる浪巫謠の前には安索亞特が登場。浪巫謠の耳で接近を察知できない辺り、大物感を感じさせますが、むしろ彼の得意技は陰謀。全く懲りていないように、阿爾貝盧法を敵にする者同士、手を組もうと浪巫謠に持ちかけますが――それを密かに覗いながら、安索亞特の策を学ぶのも息子にはよい修行、などと放置している阿爾貝盧法の方が大物であることはいうまでもありません。
むしろ神蝗盟の二人の存在を知った阿爾貝盧法は、第三期で神蝗盟と手を組んでいた刑亥を使って、禍世螟蝗に渡りをつけるのですが――イケボ同士、いやラスボス級の悪党の顔合わせが何を生むのか、現時点では想像もつきません。
(しかし、今回も阿爾貝盧法の秘書、というより腰巾着であった刑亥ですが、インチキキセル野郎に操られていないか、不安が残ります)
そして今回も鬼歿之地で苦労している殤不患・丹翡・捲殘雲ですが、瘴気の薄れる高所に登った殤不患は、この瘴気が、以前迷い込んだ魔界のものと同じであると語ります。そして三人の目に映るのは、瘴気を吐き出す巨大な谷。つまり、この下には――ようやく、主人公がメインの舞台に立つ術が見えてきました。
一方、相変わらず同担拒否(そもそも同担ではない)の嘲風が、睦天命に対してお前らのせいで浪巫謠が――と八つ当たりしていたところに現れたのは、名前も覚えていませんが、その殤不患が魔界に迷い込んだ時に倒した魔族の縁者。じゃないかなあ、たぶん。
八つ当たりのようで関係性的にはそうでもない形で魔族たちが襲いかかってきたところで、続きます。
というわけで、相変わらず体感時間が短い展開ですが、ここのところ魔宮貴族たちの陰謀が続いて話の流れが固まってきた印象もあります。ここは一つ、折り返し地点になる次回では、後半の原動力になる爆弾の投下を期待したいところです。
(予告を見た限り、実際に爆弾=殤不患が魔界に降ってきそうですが……)
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