2022.06.20

仁木英之『モノノ怪 執』(その三) 作品世界への新たな風となったスピンオフ

 アニメ『モノノ怪』のスピオンオフ小説『モノノ怪 執』の紹介のラストです。今回は「饕餮」「ぬっぺらほふ」の二話をご紹介いたします。

「饕餮」
 九州・月ヶ瀬藩の三老と呼ばれる家柄ながら、かつての島津家との戦いで両親をはじめとする多くの親族を喪い、落魄した山中家の若き当主・甚次郎。同年代の若衆の中でも浮いた存在である彼は、父祖が命を落とした古戦場に、饕餮と呼ばれる怪異が出没すると聞かされ、逆に興味を覚えます。
 国替えとなる先についていくことを認められず、憑かれたように父祖たちの活躍の痕跡を古戦場で求める甚次郎。彼は饕餮によって父祖の最後の戦いを見せられるのですが……

 これもある意味歴史・時代小説の一典型というべき、地方の小藩もの(?)といった趣きのある本作(舞台となるのが九州の月ヶ瀬藩なのは、このサブジャンルの名作である葉室麟『銀漢の賦』のオマージュでしょうか)。
 このサブジャンルの定番として描かれるように、地方に暮らす若者の鬱勃たる想いが中心となる本作ですが、それがモノノ怪に憑かれ、過去の記憶に惑溺する主人公の姿として描かれるのは、本作ならではでしょう。

 何が真であるのか、二転三転した末に甚次郎が掴んだ想いと、それの果てのモノノ怪との戦いの有様が不思議な感動を呼びます。


「ぬっぺらほふ」
 かつて母と姉が行方不明となり、今は父・忠義の叱咤激励の下、大奥に入るために日夜文武に励む楓。刻苦の末、若年寄・堀田掃部に気に入られ、書院番組に抜擢された忠義は、楓の大奥入りへの口利きの条件として、掃部からある怪異退治を命じられるのでした。
 本郷の加賀藩邸近くに現れるというぬっぺらほふ――見目よい男女が通ると置いてけと袖を引く、目鼻も口もない妖――をおびき寄せるため、父に協力する楓ですが……

 ラストを飾る本作に登場するのはぬっぺらほふ――作中でも言及されるようにのっぺらぼうの異称であり、同時に目鼻もない肉の塊であるぬっぺふほふを連想させる名のモノノ怪であります。(のっぺらぼうといえば――それは後で触れます)

 あまりに酸鼻な過去の一幕から一転、どこかコミカルさすら感じさせる姿で大奥入りを目指す楓を中心に展開していく本作ですが、そんな彼女の心の隙間とモノノ怪が出会った時に何が起こるか……
 胸が悪くなるような過去の事件の真相(これはこれで「らしい」という気もします)と、ある意味ストレートなモノノ怪の真と理を描きつつ、そこから楓との関係性で一捻り加える展開にも唸らされます。

 ちなみに「のっぺらぼう」といえば、アニメ『モノノ怪』のエピソードの一つ。「家」に押しつぶされ、自分というものを喪った女性を描いた物語でしたが、さてそれとよく似たタイトルの本作は――その結末には大いにギョッとさせられると同時に、なるほどと納得させられるのです。


 以上全六話――『モノノ怪』という作品の新たなエピソードとして違和感ない内容であると同時に、歴史・時代小説の文法で『モノノ怪』という作品を捉え直す試みとして、大いに楽しませていただきました。(ただ数カ所、用語の使い方の点でちょっと不思議な部分があるのですが、これは意図的なものなのでしょう、やはり)
 第一話で触れたように、薬売りを狂言回しとして展開したアニメ『モノノ怪』とは異なり、各話の主人公を中心に、その視点から展開する内容も、スピンオフとしてみれば、納得がいくものであります。

 また、これは以前作者の『くるすの残光 最後の審判』の文庫解説を書いた時に感じたことですが、作者の作品には、超越者の力による救済を以て事足れりとしないという印象があります。
 その点は、『モノノ怪』という作品の構造と――最終的には薬売りの退魔の剣によるものの、単なる力押しではモノノ怪は倒せず、人の心に関わるモノノ怪の真と理を解き明かす必要があることと、想像以上に相性が良かったと感じます。
(というのは牽強付会に過ぎるかもしれませんが……)

 願わくば、『モノノ怪』という作品世界に新たな風を吹き込んだこのスピンオフの続編も、ぜひ読みたいと思います。モノノ怪が人の世にある限り、薬売りはいつでも、どこにでも現れるのですから……


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2022.06.19

仁木英之『モノノ怪 執』(その二) 薬売り、史実と邂逅す!?

 仁木英之による『モノノ怪』のスピンオフ小説の紹介の第二回であります。今回は「亀姫」「玉藻前」「文車妖妃」の三話をご紹介いたします。

「亀姫」
 少年の頃から従ってきた主君・加藤嘉明を喪い、その子・明成に仕える堀主水。しかし明成は父と違い、都普請と同時に会津若松城の修築を大々的に進めるように厳命を下し、老臣たちと距離感が生まれることとなります。
 そんな中、藩家老で猪苗代城城主・堀辺主膳の子・石右衛門は、恋人で筆頭家老の娘・善を猪苗代城に棲む怪異・亀姫に仕立て上げ、明成を操ろうと企むのでした。

 その事実を知った主水は、覚悟を決めて会津若松城に乗り込むのですが……

 薬売り、史実と邂逅! と言いたくなってしまう本作。冒頭からしてしれっと薬売りが病の加藤嘉明の枕頭に侍っているのに驚かされますが、何よりも本作の中心となるのは、何と堀主水――歴史・時代小説ファンであればお馴染み、いわゆる会津騒動の中心人物として後世に名を残す実在の人物なのです。

 つまり本作はこの会津騒動の秘史、前日譚というべき物語――アニメ『モノノ怪』が歴史的事実と一定の距離を持った作品であったことは前回述べましたが、本作は第一話の方向性をさらに推し進め、史実の中に立つ薬売りの姿を描いたといえます。もちろんこれも、スピンオフならではの趣向ですが……
 物語の方は、ややクライマックスが慌ただしくなってしまった感はあるものの、美しいモノノ怪の形が印象に残る一編であります。
(ちなみに『怪 ayakashi』の「天守物語」では亀姫の姉が登場しているのもある意味因縁でしょうか)


「玉藻前」
 深川の数町離れた裏店長屋に住む仲の良い友達同士の小春と花。小春の父で浪人の藤川高春は、つくり花師のまとめ役、花の母・桂は、つくり花師――仕事と称し、度々桂のもとを訪れる高春に疑いの目を向ける母に命じられて、仕事の様子を見に行こうとする小春に対し、花はそれを止めようとするのでした。
 そんなある日、不気味な影に追われた小春の前に現れた薬売りは、彼女に二つの賽を渡して……

 妖の中でも大物中の大物である玉藻前=九尾の狐。ネームヴァリューの点では最大のこの存在と薬売りが対決する本作は、しかし意外にもその舞台を下町――人情時代劇の定番中の定番である深川に設定しています。
 しかしそこで展開されるのは、妻子ある浪人と道ならぬ関係となった寡婦、親友同志である二人それぞれの娘といった、人情ものというには少々湿っぽすぎる人間関係なのです。

 はたしてそこにいかにして九尾の狐が絡むのか――と思いきや、物語は終盤で大転回。ここで正体を現す九尾の狐の正体は、まさに本作ならではのものといえるでしょう。
 ここにキーアイテムとして登場してきた賽が絡んで展開する世界は、まさに『モノノ怪』ならではのカラフルで不条理な世界であり――そしてその中を切り開いていく少女たちの想いが印象に残ります。ぜひビジュアルで見てみたい物語であります。


「文車妖妃」
 幼い頃、祖父に連れられて講釈を聞いて以来、物語に取り憑かれた為永春水。以来、講釈師と作家の世界に飛び込んだ春水ですが、なかなか芸は上達せず、苛立ちは募るばかり。彼の近くには、書き損じを食らう小さな妖・文車妖妃が出没するようになります。
 そんなある日、かつての修行仲間であるお文から、柳亭種彦への恋文を託された春水。彼は恋文を渡さずに自分が返事を代筆するようになりますが、そのうちに種彦への恋慕に狂ったお文は……

 再び実在の人物と薬売りが邂逅することとなる本作は、一種の芸道ものもいえそうな作品。後に『春色梅児誉美』で人情本の第一人者と呼ばれることとなる為永春水の若き日を描いた物語であります。
 あらすじだけ見るとほとんど春水の伝記のようですが、己の才のなさにもがく彼のある意味分身というべき文車妖妃は、才も無いのに書くことに取りつかれた人間の執着を喰らいにくるという、何とも胸に刺さる妖です。

 しかし妖としては無害な文車妖妃が、いかにしてモノノ怪となるのか――その理は、まさに人の情とそれに憑かれた者の姿を浮き彫りにしたものであり、『モノノ怪』という作品世界を用いた芸道小説に相応しいものであると感じます。
 結末で語られる薬売りの、二重の意味で意外な言葉も必見です。


 次回でラストです。


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2022.06.18

仁木英之『モノノ怪 執』(その一) 時代小説の文法で描かれた『モノノ怪』

 十五周年ということで、にわかに慌ただしくなってきたアニメ『モノノ怪』周辺。その先陣を切る形となったのが、このスピンオフ小説『モノノ怪 執』であります。全六話が収録された本作を担当したのは、なんと歴史・時代小説でも活躍する仁木英之。はたして小説で描かれる『モノノ怪』の世界とは……

 2006年、オムニバス『怪 ayakashi』の一編「化猫」で初登場した薬売り。奇抜な化粧と衣装で身を飾ったこの美青年、モノノ怪の気配があるところに、場所・時代を問わずどこからともなく現れては、その形・真・理を見顕して退魔の剣でモノノ怪を斬る、奇妙なゴーストハンターであります。
 この薬売りのキャラクター、和紙のテクスチャを用いた美術、そして怪異の陰の人の心の綾を巧みに織り込んで二転三転するミステリアスな物語が受けて、2007年には『モノノ怪』として五つのエピソードが放送されることとなりました。

 以降、ファンの間では続編を求める声が根強くあったのですが――十五年間沈黙を守った末(その間、蜷川ヤエコによるアニメに忠実な漫画版がありましたが)、今年動きを見せ始めたのは冒頭に触れたとおりであります。
 そして本作は仁木英之による小説ですが、なるほど『僕僕先生』をはじめとする壮大なファンタジー、『くるすの残光』などの伝奇時代小説、人情ファンタジー『黄泉坂案内人』、さらには文アルのノベライズ等を手がけた作者は、うってつけかもしれません。

 私も『モノノ怪』ファン、仁木英之ファンとして大いに本作を楽しみにしていたのですが、その期待は裏切られることはありませんでした。以下、全六話を一つずつ紹介していきましょう。


「鎌鼬」
 新年、管狐の加護を得たという奥三河の村の庄屋のもとを訪れた三河万歳の門付け芸人・徳右衛門。同じく訪れていた熊野神人、傀儡師、角兵衛獅子、そして薬売りとともに宴席に招かれた徳右衛門ですが、自分たちが客間から出られなくなっていることに気付くのでした。
 そこに現れて昨年家宝の管が盗まれたと語ると、最も優れた芸を見せたものが座敷を出て富を得ることができると告げる屋敷の主。かくて、芸人たちの芸比べが始まることに……

 「御久」の文字が見えるような気がするこの第一話。中心となるのが閉鎖空間に閉じ込められた人間たちのエゴのぶつかり合いという、ある意味『モノノ怪』らしい展開が描かれることになりますが――そのぶつかり合いが異能の芸人たちの技比べの形で描かれるというのは、映像で見てみたいと感じます。

 しかし興味深いのは、舞台背景や徳右衛門たち芸人の技の内容や由来を、本作が丹念に史実・現実を踏まえて描いていることでしょうか。アニメの『モノノ怪』は、特に無国籍的とすらいえるようなその美術や設定において、意図的に時代考証との距離感を醸し出していた一方で、本作は、時代小説の文法で『モノノ怪』を書いたという印象があります。
(もっとも、続くエピソードを読んでみれば実は本作が一番アニメに近いという印象なのですが……)

 その意味では確かにスピンオフを感じさせる本作ですが、もう一つ、本作においては完全に徳右衛門視点で物語が進行し、薬売りは完全に傍観者であり、アニメで時折見られた人間味も極力抑え気味という印象があるのも、面白いところです。
 あの決め台詞が登場しないのには最初驚かされましたが、これもまた、スピンオフゆえというべきでしょう。もっとも、芸人たちの中にちゃっかりと混じっていたり、意外に(?)芸達者なところを見せたりと、やっぱり薬売りは薬売りだと思わされるのですが……

 結末とそこに至る過程に、どこかスッキリとしない、考える余地を残す内容といい、実に『モノノ怪』らしい第一話だったというべきでしょうか。


 第二話以降は次回・次々回に紹介いたします。


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2022.05.23

椎名高志『異伝・絵本草子 半妖の夜叉姫』第2巻 共闘新旧世代 そして親世代の抱える想い

 アニメは数ヶ月前に大団円を迎えましたが、コミカライズの方はまだまだ絶好調――『異伝・絵本草子 半妖の夜叉姫』第二巻の登場です。ついに揃った三人の向かう先は退治屋の里、そして結界の山。そこで三人を待つ者は、懐かしい顔ぶれと、新たな敵――!?

 戦国時代からやってきた生き別れの妹・せつな、そして従姉妹のもろはとともに、自分の本当の故郷である戦国時代に向かった女子中学生・とわ。そこで自分が大妖怪・殺生丸の子だと知った彼女は、突如襲ってきた妖怪との戦いの中で、忘れていた記憶を取り戻すことになります。
 そして時代樹の精霊から、時の歪みを正すため、西の果てに向かえと告げられた三人は、旅立ちの一歩を踏み出すことに……

 というわけでいよいよ始まる三人の旅ですが、西の果てに向かう前に立ち寄ったのは、あの琥珀率いる退治屋の里。ここで里の娘たちからめちゃくちゃ尊がられるせつなととわがまたおかしいのですが、やはり印象に残るのは、殺生丸に対する琥珀の思い入れでしょう。
 アニメでは完全に一歩引いた形であまり目立ちませんでしたが、考えてみれば琥珀は、作中でりんの次に殺生丸とは深い縁のある人間。そんな彼が殺生丸の謎めいた行動に、そしてその二人の娘に感傷を抱かないはずはありません。前巻での草太ともある意味通じる彼の内面描写には、数ページの描写ではあるものの、大いに印象に残るものでした。

 そして、対象こそ違え、同様の想いを抱く者は彼だけではありません。退治屋の里で装備を整えた三人が、次に向かうよう指示された山で待つのは、弥勒と珊瑚――そして鋼牙!
 これまた犬夜叉とかごめと縁深い人物でありながら、アニメではほとんど全く出番がなかった(まあ『犬夜叉』でも途中フェードアウトでしたが……)鋼牙に、ここできっちりと出番があるというのも、実に嬉しいところであります。

 そしてもう一人、この場で三人を待っていたのは、鋼牙と同じ妖狼族の凱風――アニメではもろはの師であった女性であります。
 そんな重要な立ち位置でありつつも、アニメではわずか一話で、しかもあまり格好良くない形で退場してしまった凱風。それがこちらでは(もろはとの因縁はあるものの)また少々異なる立場で登場するのも、アニメ視聴者としてはグッとくるのです。


 さて、ここで弥勒たちは、アニメでもキーアイテムであった虹色真珠(ちなみにこちらでは明確に出自は異なる様子)を使って、ある役目を担っていたのですが――しかし現れるのは、味方たちだけではありません。
 それは麒麟の四凶のうち、饕餮と檮コツ、そしてその息子・若骨丸――アニメでは序盤の敵という印象でしたが、こちらではその場に居合わせた親世代とも互角クラスの強敵という印象であります。

 かくて展開するのは、鋼牙vs若骨丸、弥勒・せつなvs饕餮、凱風・もろはvs檮コツという新旧世代入り乱れてのバトル!
 そこに加わっていないとわは珊瑚とともに雑魚妖怪を引き受けるのですが、二人の前に、かつて殺生丸の屋敷を襲撃し、姉妹を引き裂くきっかけとなった焔も参戦、さらに味方サイドも――と、純粋にバトルものとしても盛り上がりまくる展開であります。

 そしてそのバトルの中で描かれるのは、三人のパワーアップと覚醒――親世代の葛藤と新世代の強化、そして新たなる展開への導入、そしても一つタイトルの回収と、ここまで盛り込んでくるか! と、畳み掛けるような展開には、ただただ感嘆するばかりです。
(饕餮のなんでも喰う能力に、こちらではそう来たか! という由来が設定され、弥勒の複雑な胸中と重なる辺り、ただ唸るしかありません)


 限られたページ数で、元作品の設定を用い、元作品と同様の物語を描く――そんなコミカライズの役割を果たしつつ、元作品では描かれなかった、そしてファンが観たかったものを描いてみせる本作。
(その他アニメでのツッコミどころを埋めてみせる――とわの衣装とか)
 豪華な顔合わせのスピンオフ、などという言葉では収まらない名品であります。

 そしてこの巻のラストでは、あの男と、そして第二期で登場した彼女も登場。物語は加速するのか、新たな道に向かうのか、いよいよ期待は高まります。


 しかし長年ダウンしていた邪見を見事復活させた「妖怪の治療が得意なお方」とは、弟子の顔と口調を見るに、もしかして……


『異伝・絵本草子 半妖の夜叉姫』第2巻(椎名高志&高橋留美子ほか 小学館少年サンデーコミックス) Amazon

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2022.03.28

『半妖の夜叉姫』 第48話「永遠に続く未来」

 犬夜叉の手を借りて無事借金を完済したもろは。一方、とわとせつなは、殺生丸が届けた反物を仕立てた着物をりんからもらい、父の真意を訝しむ。そこにやってきたもろはは、屍屋に持ち込まれた西国での妖怪退治の依頼を持ちかける。その依頼人とは……

 ついに最終回の今回、麒麟丸を巡る物語は前回でほぼ終了し、その後の三姫たちの姿が描かれることになります。

 冒頭で描かれるのは、氷雪を操る妖怪と戦うもろはと犬夜叉の姿。二人で妖怪退治を始めたのかと思いきや、娘が借金生活者だったのを知ったかごめが激おこの上、犬夜叉に手助けを厳命したのであります(しかもこの借金、返す機会があったのに敢えて残していたと知ったら、かごめがどんな顔をするか……)。さすがに父娘の連携はバッチリで、なかなか強そうだった妖怪もあっさり倒してしまうことになります。しかしこの戦いの最中、相手の氷の息で手を凍らされた犬夜叉が、めんどくせえとばかりに氷の部分をガンガン叩いて砕くあたりが滅茶苦茶らしい感じでありました。
 さて、無事に屍屋への借金を返済したもろはですが、そこに妖怪退治を依頼したいという、どこかで聞いたような声の覆面の若者が現れます。

 一方、りんから新しい着物をプレゼントされるとわとせつな。りんは殺生丸が届けてきた反物を仕立てたというのですが――とわが高かったのではと妙な心配をするのは可笑しい一方で、殺生丸のことだから限度知らずでもの凄い高級品を買ってきそうだよな、という気はいたします。
 それはさておき、今ごろになって父親っぽい顔をする殺生丸に娘たちは不審な顔。そもそも最初から助けてくれればこんな苦労はしなかったのに――というとわの疑問は身も蓋もありませんが、まあ客観的に見れば放置もいいところだったわけで、その辺りの気持ちはごもっともといえます。しかしせつなは一回、とわも精神的に一回死んでいると言われて、私も死んだことあるわよーとあっけらかんと言うりんは、やっぱり殺生丸の奥さんに向いていると思います。(しかも二回死んだしな……)

 さて、何だかんだで着物姿となったとわとせつなのところにやってきたのは、同様に母に仕立ててもらった着物を着たもろは。三人がエンディングと同じ姿になったのはちょっとしたサービスというべきかもしれませんが、殺生丸の真意をいまだに掴みかねている二人に対して、半妖でも強く生きていけるようにするためだよ! と言い切るもろはは、らしいっちゃらしいというべきでしょうか。かなり当たっているのだとは思いますが。
 それはともかく、面白い依頼が入ったからと二人を屍屋に連れて行くもろはですが、そこで待っていたのは、鹿猪と名乗るあの謎の青年。と、ここでさりげなく(?)もろはたちはとわを残して屍屋から出ていき、そして残されたとわは――鹿猪に対して壁ドン一撃! たまらず正体を現したのは理玖――まあ、登場した時から福山潤の声で喋ってるんですから、誰にでも一目瞭然ではあります。

 しかしまあ前回希林理の刃をくらって消滅、しかも本体である麒麟丸も成仏したのに何故? とせつなならずとも言いたくなりますが、その理由が麒麟丸とりおんが魂と魄を分けてくれたから――とまたえらいアバウト。しかし元々が人造生命なので、これはこれでありなのかもしれません。もっとも、どうやら今回は人間(妖怪?)に生まれ変わったようですが……
 何はともあれ、とわにとって理玖も復活したしめでたしめでたし、翡翠の自分への気持ちに全く気付いていないせつな、そもそもそういう話の全くなかったもろはと、三人(と理玖、何故か竹千代)は伊予に向かいます。そこでメインテーマをバックに、もろはが、そしてとわとせつなが襲いかかる妖怪たちの群れをなぎ倒し――『半妖の夜叉姫』、一巻の終わりであります。


 冒頭に述べたとおり、本筋は前回で終わったので今回は一回丸々使ってのエピローグ。正直なところ、作画にあまり力が入っていないのは残念でしたし、本当に後日談という以外ない内容でしたが、理玖が復活したのだけは意外だったかもしれません。

 前回触れたように、結局親は皆子供を想っているものなんだよ、というオチはちょっと微妙かなあという印象はありますが、血の繋らない日暮家(今回、現代で元気にやっている姿が流されたのは、嬉しいような切ないよいな)ととわの関係をみれば、あまり深く考えなくてもよいのかもしれません。
(麒麟丸とりおんの縁もプッツン切っていましたし……)

 まあ、いくらでも話を広げていけそうな結末自体は良かったと思います。それと娘たちの成長に、内心すごく嬉しそうな殺生丸も……


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『半妖の夜叉姫』 第45話「希林理の妖征伐」
『半妖の夜叉姫』 第46話「絶望の妖霊蝶」
『半妖の夜叉姫』 第47話「父と娘と」

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2022.03.20

『半妖の夜叉姫』 第47話「父と娘と」

 理玖の犠牲により、希林理を倒したとわ。一方、麒麟丸は殺生丸との戦いの中で自分を取り戻し、最後の決着に臨む。そして三姫が縁の糸を断ち、りおんを妖霊蝶から解放したかに見えたが、そこに現れた希林の思念がりおんを飲み込む。自分が殺された時のことを追体験させられるりおんに対し、とわは……

 久々のアバンでは前回のとわvs希林理の続きから。追い詰められたとわですが、そこにいきなり襲いかかったのは理玖――? おいらは愛する人しか殺さないとこの期に及んでメンヘラ一直線なことを言い出したと思ったら、それは(当然)芝居で、とわに押しのけられた勢いで希林に襲いかかり――と、こんな見え見えの攻撃に引っかかる希林ではありませんが、しかし理玖が一撃を食らったその背後から飛び出したとわの攻撃は躱せず、胸を刺された上に右腕を斬られて、あっさりと消滅します。そして理玖も、かつて理玖は理玖と言ってくれたとわに、心からの礼と別れを告げて消滅することに……

 そしてりおんの元に駆けつけたとわも加わり、再び縁の糸を切るたびにりおんの声が聞こえるというイベントが再開。その中でりおんは、麒麟丸の身を案じるあまり、戦い続ける父を止めたいと笑顔を封じたことを語ります。しかし麒麟丸は、そのりおんの笑顔を見るために戦い続けていたのですが……
 そんな悲しいすれ違いをしているとも知らず戦い続ける麒麟丸を前に、お前はまるで人間のようだ、お前とは戦うにも値しない、などととと思い切り煽る殺生丸ですが、当然ながらこれに麒麟丸は激昂。しかし敢えて殺生丸がこの場に連れてきたりんの姿に、かつての自分自身の行動を思い出し、妖怪としての自分自身を取り戻します(しかしこれ、一歩間違えたらお前も同じじゃねーか! と麒麟丸が思ってもおかしくないと思います……)。その姿に、殺生丸も正面から戦いを受けて立つのですが――全力を尽くした末、勝利を収めたのは殺生丸でありました。

 そしてりおんが伸ばした縁の糸が地に伏した麒麟丸を絡め取り、麒麟丸の体は妖霊蝶の中の彼女の前に。そして麒麟丸の体に触れ、最後の別れを告げようとするりおんですが、既に現し身を失ったその体では触れることができず――と、そんなところに浮かび上がったのは、なんと妖しくきらめく眼鏡! 右腕を斬られて消滅したかと思った希林理ですが、本体は既に眼鏡であったものか(本気にしないように)、その瘴気でりおんを包み込んだ希林は、半妖こそが諸悪の根源と植え付けるように、りおんが半妖に殺された時の光景を再現したではありませんか。

 かつて自分を殺した半妖を前に、ただ怯え叫ぶことしかできないりおん。そして彼女の絶望を映したように、外でかごめや弥勒たちが封じていた妖霊蝶も再び瘴気を放ち動き出します。怯えるりおんにに対し、身動きの取れない三姫は、自分の力で戦えと応援するしかないように見えたのですが――しかしその状態からとわは、希林から奪い返した斬星剣で周囲の妖気を吸い取ろうとします。己の魂を危うくしながらもりおんに力を貸そうとするとわの姿に、りおんも自分を取り戻し、自分自身の力で敵の幻を打ち砕き、希林の眼鏡も今度こそ消え去るのでした。
 そして妖霊蝶の中に現れた殺生丸とりん、邪見が見たものは、倒れ伏したとわの姿。しかしとわはりおんの魂に自分の体を使えと語りかけ、今度こそ麒麟丸に触れることができたりおんは、満足して父と二人で消え、とわも意識を取り戻したのでした。

 そして戦いは終わり、ついに安らぎの時を迎えた一同。母とひしと抱き合うとわとせつな、その姿をどこか満足げな表情で見つめる殺生丸――そして殺生丸は何故殺生丸親子に慈悲をかけたのかという邪見の問いに、それでは娘たちの心が救われぬと答えるのでした。滅茶苦茶丸くなったな殺生丸……
 というところで大団円、一巻の終わり――ではなく、もう一回続きます。


 麒麟丸と妖霊星・妖霊蝶を巡る物語の決着編であり、そしてサブタイトル通り、物語を通じて描かれてきた父と娘の関係性の結末でもありますが――そういうことではないとわかっていても、毒親に振り回されたりおんが自分の力で戦えと諭される展開には、やはり違和感が強くあります。この場合、そうしない限りは状況は変わらないのは確かなのですが……
 まだエピローグ(であろう)次回が残っているので結論は早計ですが、今回の時点では結局親子関係そのものまではメスをいれないのだな(受け容れるしかないのだな)、というのは、正直残念なところではあります。いや、そう描くしかないのはわかるのですが。


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2022.03.14

『半妖の夜叉姫』 第46話「絶望の妖霊蝶」

 りおんを救うため妖霊蝶に乗り込んだ三姫。その前に現れた希林理をとわが足止めする間に、せつなともろははりおんの元に向かう。一方、外の世界では犬夜叉たちが妖霊蝶の動きを止めるため奮闘し、殺生丸は麒麟丸との決闘に臨む。とわが希林に苦戦する中、せつなともろははりおんの心の声を聞くが……

 いよいよクライマックス、今回もアバンなしで最初から最後まで決戦また決戦が各所で繰り広げられることになります。

 各地で妖怪たちを吸収・消滅させていく妖霊蝶。その猛威は竹千代の故郷である狸穴島まで及び、あわや一族消滅かというところで、かろうじて犬夜叉とかごめの力で気を逸らすことができたのですが――しかしもちろん、このまま野放しにはできません。そんな中、理玖からりおんが取り込まれたと聞き、妖霊蝶の中に乗り込むことを決意した三姫。どうやらりおんも彼女たちは拒絶はしないらしく、三姫と理玖のみを中に迎え入れます。
 と、蝶の中とは思えぬ空間に驚く間もなく(本当、何なんでしょうかこの中の調度は)、希林先生、いや希林理に出迎えられる四人。希林は世界をりおんの望むものに変えるため、妖怪たちを滅ぼすだけでなく、争いを繰り返す愚かな人間たちを管理すると、やっぱりエコロジー系ラスボスチックなことを言い出します。ここは現代育ち同士、因縁というか顔見知りの自分が引き受けたと、とわともろはを先に行かせ、希林と対峙するとわと理玖。しかし理玖はさっさとりおんによってどこかに引っ張っていかれ、とわと希林の一騎打ちは、蔵書庫のような空間で続くことになります。

 世界中の本が集まっているという蔵書庫(だからいつの間に――と、もしかして麒麟丸の船を取り込んだのかしら)の中で、激しくぶつかりあう二人。その最中、希林は実は歴史の先生になりたかった、と言い出します。歴史上、妖怪が人間に手を貸した例はいくらでもあるのに、人間の歴史書からは妖怪の存在は抹消されている。子供たちには私が真実の歴史を教えなければ!
 ――そりゃ歴史の先生にはなれません。というかよくほかの教科とはいえ先生になれたな!? という感じですが、それはさておき斬星剣を使いこなす希林によって、とわはあっさり妖気を吸われ普通の人間となってしまいます。もっとも、彼女の今の得物は真・菊十文字なので、武器の面で影響はありません(そのために彼女の手に渡っていた?)が、しかしそれでも分が悪い。人間の愚かさを説く希林に対して、人間にも妖怪にも悪いやつもいれば良いやつもいると反論、口では負けていないとわですが……

 一方、妖霊蝶の奥、りおんが閉じこもった空間にたどり着いたせつなともろはですが、りおんは二人を拒絶し、色とりどりの糸が二人を取り囲みます。そして糸が迫ってきますがこれは鋭利な刃も同じ、一歩間違えればサイコロステーキというところですが――糸といえばこれ、というべき所縁の断ち切りがその能力を発揮します。どれか一本はりおんから出た糸――というわけで、せつながそれを見切り、二人で斬っていくという展開ですが、一本切るたびにりおんの心中が一言ずつ流れ、そして糸がリセットされるというのは、RPGのボス戦の演出みたいではあります。
 それはともかく、その心の声の中で語られるのは、麒麟丸に戦いの場に連れ回されるのが嫌だったという繰り言。あんな親を持った子供の気持ちはわかるまい、と言っても、三姫ならわかるんじゃないかな……

 そしてその麒麟丸はといえば、殺生丸と妙に良い動きで一対一の決闘の最中。相変わらず煽りスキルの高い殺生丸に、まるで人間のようだなどと言われながらも、互角の戦いは続きます。
 そして犬夜叉とかごめは、妖怪の群れから人々を守っていた弥勒一家と妖怪退治屋を糾合、フルメンバー+αで、妖力では歯が立たない妖霊蝶の動きを、法力と霊力で封じるための行動を開始します。妖怪退治屋や金烏玉兎コンビが妖霊蝶の注意を引き、珊瑚の漆黒の飛来骨が光の翼のようなエフェクトで足止めしたところに、かごめの破魔の矢が動きを止め、弥勒の法力が妖霊蝶を縛る――怒涛の連携作戦で動きは止めたものの、さて内部の三姫は苦戦の真っ最中。特に追い詰められたとわの運命は……


 四元中継で決戦が繰り広げられる今回ですが、やはり特に印象に残るのはとわと希林の対決。現代では人間大好きと言っていたのに、戦国に戻った途端(りおんが死んだと聞いた途端)いきなり違うことを言い出した希林は、やはり右腕に脳はないのかな、という気もします。
 というか結局本体がどうにかしないと状況は動かない気もしますが、説得役(?)が殺生丸なので、はたしてどう転ぶか……


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『半妖の夜叉姫』 第45話「希林理の妖征伐」

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2022.03.06

『半妖の夜叉姫』 第45話「希林理の妖征伐」

 妖霊星を戦国時代に持ち帰った希林理。りおんの前に現れた希林は、彼女の望みを叶えると称し、吸妖魂の実を用いて妖霊星の中で眠っていた妖霊蝶を羽化させる。一方、現代に残されたとわたちは、育ての親である草太たちと別れを告げ、阿久留が最後の力で開いた時空の穴を通じて戦国時代に帰るが……

 アバンはなしの今回、冒頭で描かれるのは、希林先生が妖霊星を持ち帰り、天にめり込むように妖霊星が固定されたためか、時の穴から無限に妖怪湧きとなった戦国時代の有様。これを見て、この状況は半妖の夜叉姫のせい、みたいなことを言っている麒麟丸には、この人何言ってるの――という気分になりますが、本人は時の穴に突っ込むのに夢中で、その間の戦国の状態を知らなかったから、ということにしておきましょう。その間に、とわから斬星剣をいただいてきた希林先生は妖怪たちを斬りまくっていますが、これでは何かに足りないと思案顔であります。

 一方、時代樹の反応がなくなって現代に取り残された三姫は、引き続き日暮家に歓待されることに(三人を神社で見つけて飛びつく大ママ、所縁の断ち切りに顔ぶつけそうで怖い)。それでも戦国時代に帰らなければならないと力説するとわですが、ひとまず今晩は休むことになります。芽衣に一緒に寝ようと誘われるせつな、大ママに風呂を勧められるもろはと、微笑ましい光景の一方で、草太ととわの間に流れる空気が切ない……
 そして翌朝、時代樹への三姫の懸命な呼びかけによって時の穴が開くものの、力を使い果たした阿久留はとわの手の中で消滅。悲しむ間もなくせつなともろはが穴に飛び込む一方で、とわと草太一家はもしかしたらこれが最後になるかもしれない別れを告げることになります。とわに対し、とわといた十年間、ぼくたちは十分すぎるほど幸せだったと優しく語りかける草太ですが、ここで彼と手をつないだとわが、幼い頃の姿に戻って礼を言うのは、何ともグッとくる演出でしょう。

 さて、血の繋らない親子の深い心の繋がりが描かれた一方で、戦国時代ではりおんが血の繋がった父である麒麟丸を討つために、麒麟丸の船に乗り込みます。が、そこで待っていたのは、当の麒麟丸を眠らせた(……)希林先生であります。再会を異常に喜ぶ希林先生は、りおんに対してあなたが思い描く世界を作ってみませんかと言葉巧みに語り、彼女を味方につけるのに成功します。
 そして希林先生に促されるまま、りおんが吸妖魂の実を妖霊星に掲げれば、砕け散った実から凄まじい勢いで妖気が吹き出し(?)、そしてその中から現れたのは、前回ちらりと姿を見せたあの蛹――さらにそこから姿を現したのは巨大な蝶・妖霊蝶! OPに姿を見せていたのは夢の胡蝶ではなくこれだったようです。

 妖霊蝶と縁を結び(どう見ても伏線)その内部に消えた希林先生とりおん。そして今頃目を覚ました麒麟丸は、その光景を目の当たりにして激怒、中に突入するのですが――そこで見たのは、妖霊蝶に繋がれ、どう見ても自分の意識はなさそうなりおんの姿であります。激昂するまま希林先生に斬りかかる麒麟丸ですが、右腕は私が本物ですからね? と妙に説得力あることを言う希林先生に力負けしてふっとばされた挙げ句、りおんは戦いの場に行きたくなかったと今更気付かされる始末。そして分身に呼び捨てにされたりお前呼ばわりされたりした挙げ句、麒麟丸は殺生丸排除を命じられるのでした。

 一方、丁度戦国時代に帰ってきた三姫は妖霊蝶の誕生と、妖霊蝶が妖怪たちを吸収していくのを目撃するのですが――そこに落下してきたのは、希林先生に用済みと殺されかけて危うく逃れた理玖であります。彼から状況を聞かされたとわは、そこに駆けつけた琥珀と翡翠から菊十文字を託され、せつなともろは、そして犬夜叉・かごめと妖霊蝶に向かいます。その頃、見守るりんの前でようやく意識を取り戻した殺生丸は、刀を手に時代樹から姿を現します。その前に現れたのは、麒麟丸――最後の決着をつけようと望む麒麟丸に対し、殺生丸はりんに「そこで見ていろ。決して退くな」と語り、麒麟丸と対峙し……


 前回異様なハイテンションを見せたかと思いきや、今回は一転して黒幕ムーブ全開の希林先生。りおんの望む世界を作ると称していますが、どう見ても妖怪以外にも色々なものを滅ぼしそうに見えます。一応、人間の作る文明に感動しているので、人間を滅ぼしたり、文明を奪って自然の状態に還したりはしなさそうですが……

 そして登場するたびに色々なものがボロボロと失われていく麒麟丸、実は脳みそは右腕にあったのではという気すらしてきましたが、(十分色々やらかしたとはいえ)是露は正しい引き際だったのだな――と感じさせられます。彼が救われるとすれば、殺生丸との戦いを通じてしかありませんが、犬の大将の言葉に逆らうように、敢えてりんを戦いの場に伴う殺生丸の思惑も気になるところです。


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2022.02.27

『半妖の夜叉姫』 第44話「妖霊星が墜ちる時」

 戦国では時空の扉からあふれ出した魑魅魍魎が各地を襲う中、現代で希林先生と三姫はついに妖霊星と対峙する。表面を覆う瘴気と妖気を引き剥がしたものの、あまりに巨大な妖霊星に苦戦する三姫。しかしとわが斬星剣で妖気をギリギリまで吸い込み、そして希林の力で、ついに妖霊星の動きを止めるが……

 東京タワーの目前までいきなり迫った妖霊星と対峙する希林先生と三姫。いよいよ攻撃――という前にその人外ぶりを遺憾なく発揮した希林先生は、単身妖霊星の中に突入。瘴気と妖気に覆われたその下の妖霊星本体のそのまた内部に、謎の物体(蛹?)を目撃するのでした。
 一方、希林先生の本体たる麒麟丸が強引に時空の扉をこじ開けたおかげで、戦国時代ではまさに地獄の釜の蓋が開いた状態。魑魅魍魎の群れが天地を覆う中、楓ばあちゃんまでが奮戦しますが、そこに駆けつけた犬夜叉とかごめはさすがの貫目で魑魅魍魎を一層してしまいます。(あと七宝も少し頑張った)
 そして町の方では妖怪退治屋に加えて、翡翠以外の弥勒一家も大活躍、なのですが――その中で珊瑚が娘たちと作った新兵器・漆黒の飛来骨は、宙に浮いた梵字を突き抜けて飛んでいくエフェクトといい、バスタービームみたいなエフェクトで魑魅魍魎の群れを粉砕していく様といい、何だかほとんどスパロボみたいな突き抜けぶりです。

 そんな中、尋常でない深手を負いながらも理玖はりおんとともに産霊山に向かいます。そこでりおんが父・麒麟丸を倒す切り札として想定していたのは、吸妖魂――そういえばとわの斬星剣は吸妖魂の「根」なので、本体もあるはずです。そしてその力を現出させるためにりおんが使ったのは、理玖がかつてとわからもらったリンゴの種。まさか今まで持っていたとは、いやここで役に立つとは、という感じですが、りおんが産霊山の奥地で植えた種はたちまちに生い茂り、そして透き通り輝くリンゴの実が……

 さて、現代では戻ってきた希林の指示で、とわとせつながそれぞれの技で瘴気を吹き飛ばし、そして三姫が妖霊星の本体を削る、というゲームのボス戦のような段取りとなったのですが――最初の二段階まではうまくいったものの、仮にも「星」とつくものを殴ってもさすがに無理がありすぎたか、ほとんど全くダメージを与えられないうちに、妖気バリアは復活してしまうのでした。
 しかし妖気とくれば――とここで予想通り頑張ってしまうのがとわ。斬星剣でギリギリのところまで妖気を吸い取り、それを相手に叩き返すという豪快な大技にチャレンジ、見事妖霊星にダメージを与えてみせます。しかしその影響は大きく、辛うじて復活をしたものの、一時は目玉グルグル状態に……。そしてそんなとわたちの頑張りに感動して、ただでさえ高いテンションが異常に上がった希林先生は、なんかもうドラゴンボールのような動きと作画で妖霊星に突撃、何だかよくわからないうちに動きを止めるのでした。

 さて、一段落ついてりおんのことを三姫に聞いてみれば、とっくに死んでいたと聞かされ、ちょっとコワいタッチで愕然とする希林先生。そこで何だかマズいスイッチが入ってしまった希林先生は、自分が麒麟丸を倒して戦国時代の妖怪を根絶やしにしてくると宣言、そのために妖霊星を戦国時代に持ち去ると言い出すのでした。そして本体が強引に開けた時空の穴に、妖霊星を引っ張りながら飛び込む希林先生ですが、その時に三姫に「あなたたちはお目こぼししてあげます」と何やら不穏なことを……

 そして戦国時代に帰還した希林先生ですが、妖霊星を連れてきたものだから時の穴を無理やりぶち抜くことになって、その煽りで時の風車は粉砕(ご母堂様は大丈夫?)、さらに魑魅魍魎が溢れ出す羽目に。そしてこれまで散々スルーしてきた本体のところにシレッと帰ってきた希林先生は(怒った本体にぶん殴られたりしましたが)、現代で撮影してきた世界各地の風景をりおんへの土産として持ち出した上に、持ってきた妖霊星を爆星剣でぶっ壊せばいいと麒麟丸に言い出すのですが――しかしこれはどういうつもりなのか?
 そして希林先生が行った後になって、根絶やしにされる妖怪の中に自分たちの親が含まれると気付き、慌てて阿久留の風車のところまで戻る三姫。しかし時代樹に刺さっていた風車は既にボロボロになり、地面に力なく落ちていて――というところで次回に続きます。


 何だか希林先生がいなかったらどう考えても現代の方は詰んでいたのでは、というくらい文字通りすべて持っていくことになりましたが、その異常なテンションのまま、終盤では謎の行動を取ることになります。どうやら妖霊星――というよりその中に眠る本体を利用するつもりのようですが、ここまで来てまさかの希林先生がラスボス候補に? さすがに可哀想なのでそろそろ麒麟丸にも大妖怪としての貫目を見せていただきたいものです(本当に株暴落しっぱなしなので……)


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2022.02.13

『半妖の夜叉姫』 第43話「暗転の舞台」

 妖霊星の影響で現代に頻繁に出没するようになった妖怪を密かに退治して回る希林先生。そこに帰ってきたとわは、学園で希林先生と対面、妖霊星が間近に迫っていることを知る。そして先に落下した欠片の影響で現れる妖怪を退治するためライブ会場に向かう三姫だが、そこでは萌ママが出演していた……

 現代の都会の闇に潜む妖怪たちを、人知れず狩って回る長髪丸眼鏡丁寧口調の中学教師――という、とんでもなく現代妖怪ものというか伝奇ものテイストなキャラだった希林先生の勇姿で始まる今回。しかし妖霊星が迫るも自分一人では圧倒的に手が足りない――と沈みがちであります。というか、何気に明日妖霊星が落ちてくるとか言ってませんか……?

 と、そんなところで現代に帰ってきた三姫。さっそく神社にお参りに来ていた芽衣をはじめ、大ママにじいちゃん、ブヨに見つかりますが、この方々にとっては、ほとんど里帰りレベルなのがさすがであります。
 しかし三姫としてはそれどころではなく、さっそく手がかりとなる希林先生を探しに行こうとするのですが――現代から制服を着たきり雀だったとわはいいとして、後の二人はさすがにいかがなものか、と思っていたら大ママがしっかりカムフラージュ用の服を用意してくれました。微妙に年配コートのせつなはともかく(でも似合う)、ほとんどドテラを着ただけのもろはは、冬の夜にコンビニに出かけるズボラな女の子みたいでいかがなものか。いや、それはそれでもろはそのままか……

 何はともあれ久々の聖ガブリエル学園で希林先生を見つけたとわですが、希林先生は今になって(セクハラまがいに至近距離でジロジロ見て)とわが半妖だと気付いた様子。しかも妖霊星が近づいているのが自分のせいというのも気付いていませんでした。さっそくこの「異物」を排除しようと、相変わらずのところを見せるせつなともろはですが、しかし希林先生がちょうど襲ってきた妖怪を倒してくれたのを見て、ちょっと認識を改めるのでした。
 そして希林先生の方も、人手不足のところに待望の手下がやってきた(この辺、微妙に本体風味)と喜び勇み、妖霊星が地球の裏側に行っている間に、先に地上に落ちてきた欠片から出現した妖怪退治を頼みます。

 その場所とは、どこかで見たようなアリーナ――ちょうど今晩、6x'sというどこかで聞いたようなアイドルグループのライブが行われるこの場所ですが、しかしこのライブには、バイオリニストである、草太パパの奥さんの萌ママがゲスト出演していたのであります。
 萌ママに訴えてライブを中止しようとしてももちろんうまくいくはずなく(というか超マイペースなので話聞いてない)、でたとこ勝負で三姫は戦いに臨むことになります。

 そしてライブ中にメンバーの一人・ジュリアンくん(覚えている人はほとんどいないと思いますが、第6話の猫妖怪の話で、先祖らしき人物・寿庵が登場したキャラ。一発ネタかと思ったら、まさかの本人登場)の前に現れた巨大鬼を、三姫は場外におびき出して対決するのでした。
 破魔の矢、所縁の断ち切り、さらには斬星剣(吸妖魂の根)まで持っている三姫の活躍に、希林先生は大喜び。ちなみに希林先生も、手のひと振りで雑魚妖怪の群れを消し飛ばすくらいの強キャラであります。

 そういえば、その本体である麒麟丸はと思えば、前回ラストで時の風車に飛び込んだと思いきや結局先に進めず、そこに現れた(死んだとは思っていませんでしたがさすがにツラそうだった)理玖に、りおんを奪い返される始末。最後の手段で希林先生にテレパシーで呼びかけ、自分を導くように命じますが無視――と、往年の奈落並みに、自分の分身たちが言うことを聞かない状態です。というより、理玖も希林先生もいいひとすぎるのを見ると、むしろ麒麟丸の方に変な部分が残ったのでは、という気も……

 何はともあれ、やっぱり妖霊星が落ちてくるのは今晩、というわけで、気付いてみればほとんど視界一杯に迫っていた妖霊星。もっとも、三姫は飛べないし、軌道上まで届く攻撃は持っていない――というわけで、むしろ妖霊星が地上に近づく今しかチャンスはありません。そして手下三人が加わってノリノリの希林先生と三姫は、東京タワーの上から妖霊星に対峙し――という、現代伝奇もの感溢れる場面で次回に続きます。


 またもや作画は微妙でしたが、希林先生の面白キャラぶりに救われた印象がある今回。本作はずっと戦国時代が続いていたので、やはり現代が舞台となると新鮮です。
 しかしバイオリンの演奏があってアトラクション的一幕のあるアイドルコンサートとは……


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