2007.06.02

「夢幻紳士 迷宮篇」 夢幻紳士、悪夢の迷宮を往く

 「ミステリマガジン」に連載された早川書房版「夢幻紳士」も、「幻想篇」「逢魔篇」ときて、この「迷宮篇」が、三作目にしてひとまずの完結篇となります。夢幻紳士こと夢幻魔実也氏が本作で対峙するのは、伝染する死魔とも言うべき奇怪な殺し屋たちと、その背後で蠢く夢魔の如き存在。形を持たない悪意を相手に、さしもの夢幻紳士も危機一髪…となるかどうかは、シリーズの愛読者であれば言うまでもありませんが、我らが魔実也氏は、本作でも相変わらず魅力的であります。

 大まかに言ってしまえば、二部構成といった趣もある本作、前半は、次から次へと人から人に伝染していく悪意・殺意に取り憑かれた人々に狙われる魔実也の姿を描き、後半は、遂にその悪意の源を突き止めた魔実也が、幽体離脱して幼女の姿となった女性の魂と共に、悪夢の迷宮の中心に迫っていくこととなります。
 個々の物語のクオリティの高さについては、今更言うまでもないことですが、特に前半部分においては、いつ誰が残忍な殺し屋になるかわからない状況下で、その殺し屋たちの意識の深層下にあった秘められた欲望を描きつつ、魔実也の危機と反撃を毎回見事に描き出していて唸らされます。(冷静に考えてみると今回の魔実也氏、毎回のように殺されるわ魂を奪われかかるわ――怪奇篇の系譜に連なる作品では大変珍しい、ぽや~んとした魔実也氏の顔が!――と、受難の度合いについてはシリーズ随一やもしれません)。
 また、その物語を描き出す画という点で見た場合、本作は三部作の中でも随一のクオリティと言えるでしょう。ムンクの「叫び」をモチーフとした第一話に代表されるように、その画に込められた妖気と狂気はあまりにも圧倒的で、誠に失礼ながら、思わず作者の体を案じてしまうほどの迫力でありました。

 が、作品一冊としての完成度となると、正直なところ、ちょっと首をかしげざるを得ない部分もあります。前半と後半で、はっきりと趣向が異なってしまっている点については、個々人の趣味によるところがあるとは思いますが、物語の果てに待ち受けている相手が、以前の作品を読んでいなければよくわからない上に、いささかインパクト不足というのはどう考えても残念なところです。
 また、結びのアレについても、さすがに毎回やられても…という印象があり、先に述べた大ボスの存在と合わせて、一種の連環構造となっているのだとは思いますが、ちょっと苦しいな、と思わざるを得ません。

 尤も、これはひねくれたファンの斜に構えた見方、先に述べたとおり、個々のエピソード自体のクオリティの高さについては文句を言ったらバチがはありませんし、むしろ三部作を通してご覧になっている方であれば、大ボスの存在には唸らされるのではないかと思います(全体構成については、これまでが――特に「幻想篇」が神懸かって良すぎたということもありますし)。

 何はともあれ、夢幻魔実也氏とはこれにてひとまずのお別れ。なにぶん気まぐれが服を着て歩いているような人物だけに、今度はいつ逢えるかはまだわかりませんが、いずれまた飄々と、あのいっそ小気味いいほどに澄ましかえった顔を、我々の前に見せてくれることでしょう。
 まずはその日を楽しみにしつつ―― 


「夢幻紳士 迷宮篇」(高橋葉介 早川書房) Amazon bk1

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 「夢幻紳士 逢魔篇」 百鬼夜行は夢まぼろしの中に

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2005.04.01

サイドバーにgooブログ検索の結果を

 このブログは俺のチラシの裏だ! …というわけで、備忘録代わりに今日のカスタマイズについて書いておきます。

 あちこちのブログをフラフラしていたら、gooブログ検索の結果を、サイドバーに表示しているところがありました。
 なるほど、ブログやサイトじゃなく検索結果をリアルタイムで見れるわけね、面白い! と思って真似しようと思ったのですが、やり方がよくわからない。
 あちこち探した結果、ようやくそれらしいことができるようになりました。それが左サイドバーの「[伝奇]でgooブログ検索」というやつ。

以下、(ココログでの)設置の仕方を順番に書くと、


1.RSSの取得
 gooブログ検索で[伝奇]という単語で検索。
すると、「・このキーワードの最新の検索結果をRSSリーダーでチェックしよう!使い方はこちら。」という表示の右脇に小さく「XML」という表示があるので、「右クリック→ショートカットのコピー」します。

2.JavaScriptの作成
 Callbee Feedの、RSS出力・編集に行き、「RSS URL」の欄に、1.のRSSを貼り付け。
 ここでは、表示する記事数や日付の有無なども選択できるので好きに選びます(ちなみに、記事内容を表示しない時には「記事内容の表示文字数」に「n」と入力すればよいようです)。
 プレビューボタンを押すと、完成イメージが見れるのでチェックした後、出力ボタンを押すと、JavaScriptが表示されるのでこれをコピペ。

3.サイドバーへの設置
 ここからはいつものJavaScript設置と同じ。
 ココログの「マイリスト」でリンクタイプのリストを新規作成
→「設定」の「メモの表示」で「テキスト表示」を選択
→「項目の追加」でメモ欄に、2.のJavaScriptを貼り付け
→「デザインの編集」で、このマイリストを好きな場所に表示

4.デザインの編集
 設置するだけならば3.まででOKですが、素のままだとシンプルすぎる…ので、2.のCallbee Feedで、CSS選択・編集に行きます。
 ここは2.のJavaScriptに反映可能なCSSのテンプレートがあらかじめ用意されているので、好きなのを選びます(うちのブログではここの「マルーン」を使っていますが、うちのブログのサイドバーに置くのにいいような形に修正を加えてます)
 で、3.で貼り付けたJavaScriptの下に続けて、以下のようにソースを貼り付ければCSSが反映されます。

<style type="text/css">
<!--

<<この部分にソースを貼り付け>>

-->
</style>

 以上、何とかそれなりの形のものが設置できました。
 まあ、ド素人が勉強しいしいやったものなので間違いや無駄もありそうですし、たぶんもっと効率の良いやり方もあるのでしょうが、まずはこんなところでチラシの裏終了。

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2005.02.19

Web拍手

 Web拍手なるものをやってみることにしました。
 このblogが面白かったらお手を拝借、拍手していただけるととても嬉しいです…というものです。

 そんなん客に要求すな! と言われればそれまでですが、もしよろしかったらお手を拝借。左のサイドバーに拍手ボタンがありますし、これから記事の最後にもボタンを置いてみようと思います。
 もしよろしかったら。

 …というか、登録しようと思ったらやたら重くて、何度も登録画面にリセットがかかって泣く泣く何度も書き込み直したり、バージョンアップしたと思ったら直後に不具合が出てシステム自体が轟沈したり、サーバが分割になったりと、悪い意味でタイミングが合ってしまってかなり泣けましたよ。

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2005.02.10

これで当分カスタマイズはしない…はず

 今日もまたサイドバーをいじりました。
 今日設置したのは、WING GATE様で配布しているSHDiaryというcgi。

 もともと親サイトの方で関連アイテムの発売スケジュールの表示ために使っていたのですが、そちらまで見に行かなくとも、このblogのサイドバーから見る事は出来ないか、ということで、「今日は何の日」と同じく、iモード用表示+インラインフレームで表示してみました。
 サイドバーのサイズに合わせると、どうしても字を小さくせざるを得ないため、いささか見づらいところもあるかと思いますが、元データの登録の仕方を工夫すれば、フォローは可能だと思います。

 さて、これで当分カスタマイズはしない…はず。あとはコンテンツを充実あるのみです。

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2005.02.09

今日も今日とてカスタマイズ

 うちの親サイトの方に設置している、今日は何の日というcgiがあります。
 菊地さんの工作室というサイトで配布しているのですが、これを何とかblogの方に設置できないかなあと前から思っていました。

 と、今日になって気付きました。このcgiにはPC用の他に、iモード用があるのですが、これを使えばなんとかなるかも知れない。サイドバーのサイズと携帯電話の画面サイズはだいぶ近いですから…
 そしてやってみたのが右側にある今日は何の日。文字の色やサイズを変えて、不要になる表示部分(元サイトへの戻りリンクなど)を削除したものを、インラインフレームで表示してみました。なかなかいい感じになったのではないかと思います。
 もちろん、内容の方も充実させないといけないのですが…今、手元の年表データをこの今日は何の日用に変換して投入しようとしているところです(5千件以上あるんで加工にも一苦労なのです)。

 しかしこの「iモード用cgiをインラインフレームで表示」というのは、なかなか応用の利く技なのではないかと思います。iモード用cgiも、結構色々な種類がありますしね。
 まだまだ面白い事ができそうな予感。

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