今週の「SAMURAI DEEPER KYO」 そして道は続く
あの戦いから3年。将軍職を継いだ秀忠。修行の旅を続けるアキラ、ほたる。死の病の研究を続ける灯。壬生再建に勤しむ辰怜。天下を窺う幸村――それぞれが新しい人生を歩むが、そこに狂の姿はなかった。そして賞金稼ぎを続けるゆやの前に、京四郎が現れる。かつてゆやと二人のKYOが初めて出会った土地で、狂のことを思い出す二人。と、その時、天狼が強烈な光を放つ。皆の、そしてゆやの呼ぶ声に応えて、狂が長い旅から還ってきたのだ――(完)
遂に遂にこの「SAMURAI DEEPER KYO」も完結。非常にベタな展開ではありますが、大団円と呼ぶしかない綺麗な結末だったと思います。
ラストなのでちょっと詳しく紹介しようかとも思いましたが、それもまあ野暮なので、紅虎が普通の将軍の恰好してたらどうしようと思ったとか、アキラと時人の関係は、かつての狂とアキラの関係をなぞってるのねとか、アップで真面目な顔してるとほたるって幸村と見間違えるねとか、辰伶何でお前眼鏡かけてんの?ププッ(あと、ずっと名前間違えて書いててゴメン)とか、梵天丸は3年で10歳は老けたように見えるけど大丈夫か? とかゴチャゴチャ言わない。(…)
ただ、真面目な話、ほとんどあきらめかけていた、るるの存在にまできっちりと答えを用意していたのには感心しました。…もしかして、薬になるから「るる」なんだろか。
何はともあれ、センターカラーで大幅増ページ、さらに一ページ使って作者の挨拶というのは、非常に円満な終わりを見たと言うほかないでしょう。終盤、かなり慌ただしかった感がありますが、終わってみれば、落ち着くべきところに落ち着いたという感があります。
全編を通しての感想は、コミックス最終巻が出てからにしたいと思いますが、一つだけ。
本作の一つのキーワードとなっていた「生き様」という言葉ですが、その言葉を持って全編の終わりとしたのは、この「SAMURAI DEEPER KYO」物語が、キャラクターそれぞれの生き様が連なる・絡み合うことにより生まれる歴史につながっていく、変容していく物語ということであり――極端な言い方をすれば、本作の延長線上に今があるということであり――本作の「時代もの」としての意味を示したということになるのかな、と牽強附会もはなはだしく感じた次第。
と、時代劇既知外の妄説はさておき――上条先生、この七年間、本当にお疲れさまでした。本当に楽しませていただきましたよ、と心からの敬意と共に述べさせていただきたく思います。
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