「大江戸ロケット」 音曲劇機巧光盤「銀河警察10-4・10-10」
ソラと清吉が江戸を去った後のある日、銀次郎は赤井と瓜二つの顔の喋る魚を見つける。月面基地のソラは、それが赤井の細胞を吸収した青い獣の生き残りではないかと睨み、天鳳と天天を送り込むが…
アニメ版「大江戸ロケット」のDVD全巻購入特典のドラマCD、音曲劇機巧光盤「銀河警察10-4・10-10」の紹介であります。
今頃突然で恐縮ですが、あと十日ほどで月周回衛星「かぐや」が任務を終えて月面に落下するというタイミングでもあり…いやごめんなさい、それもありますが、私が応募ハガキ送り損ねてCDを手に入れ損ねていたところに、先日さる方々のご厚意によりCDをようやく拝聴することができたので、今回ここに紹介する次第です。
さて、今回のドラマCDは、番外編ではなく、まぎれもなく本編の後日談。とはいえ、25分弱という時間制限もあって、登場するのは清吉おソラに銀さん金さん、タイトルの天鳳・天天にゲストキャラ(?)の赤井魚という面々です。
時系列的には本編の数年後といったところか(金さんがお奉行になっているので)、登場する面々のキャラは、ほとんど本編から変化なしというのが嬉しいところ――あ、約二名バカップルになったのがいますが、まあ良し。
そのバカップルの一人、おソラさんは、銀河パトロールの月面基地の長官となり(清吉は…ヒモ?)、天鳳・天天はその部下、銀河パトロール伝習隊、略して電波特捜隊(略してねえ)となっているということで、皆慌ただしくも楽しい日常を送っているようです(そういえば最終回EDの内藤泰弘先生のイラストの天鳳・天天は、それっぽい格好でした)。
そんな中、万次郎にも改名し損ねて相変わらずフラフラしているような銀さんが、偶然赤井そっくりの喋る人面魚と出会って…というのが今回のお話。
青い獣が赤井を食って脳や遺伝子を取り込んでとか、赤井の性格なら人を襲うことがあり得る…とかソラは何げに恐ろしい推理を働かせていましたが、しかし実際のところ、とてもあの陰険メガネとは思えない穏やかで理知的な話しぶりはまるで別人、いや別魚――
と、その赤井魚が中心となる今回のエピソード、基本的な展開は、いかにも特典CDドラマらしい(?)ベタなギャグに加え、今回もメタなネタにパロディに時事ネタの連発と、やりたい放題の懐かしいノリではあるのですが、しかしそれで終わらないのがこの作品。
ズルいくらい切り込みが鋭い赤井魚の口から、銀さんのソラへの想いの深層とか赤井への悔恨の念とかへの掘り下げを行ったり、「人は生まれながらに生きる場所が決まってる」「この世とは違うものに人は憧れるものです」などとお馴染みの調子も飛び出して、こちらはニヤニヤ。
そして、なぜ赤井魚が赤井の顔をしているのか、なぜ赤井とは全く違う性格なのかが明かされるラストの展開など、泣かせの部分もきっちりあって、本編ファンにはまったくもって嬉しいプレゼントでした。
ただ一つ、ファンとして悲しむべきことは、これをもってアニメ「大江戸ロケット」という作品が、完全におしまいということ…。みんなそれぞれ元気にやっているのがわかったのは嬉しいですが、しかし、何だかお祭りが終わった後のような寂しさがあります。
とはいえこればかりは仕方ない。銀さんのように、これからも時々胸を張って過去を懐かしむことといたしましょう。
しかし「長寿と繁栄をー!」って、時事ネタも一回りして新しくなっちゃったなあ…
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